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2006年6月

2006/06/30

藤戸

先日観に行った歌舞伎座昼の部の感想を遅ればせながら。
とはいえ仕事が押して、最初の2演目は観られず(泣)…3演目め「藤戸」の頭からの観劇となりました。
でもこれがとても良かったので、大満足です。

「藤戸」は歌舞伎座では初の披露になるそうなんですが、吉右衛門さんが「松貫四」の名前で構成された歌舞伎舞踊で、戦で子を失った母の悲しみと、殺された恨みで悪龍となった息子の魂が鎮められるまでを描いています。
この二役を吉右衛門さんが演っておられ、双方の役の際立ち、構成のわかりやすさと奥深さ、どこをとってもドラマチックかつディテールにまでゆきとどいた感があり、ほんとうに「いいもの」を観せていただきました。
私は歌舞伎舞踊が大好きなのですが、これは唄も演奏もとても感情の起伏に富んでいて、歌舞伎というのはほんとうに、音曲とともにお芝居が成立していくのだと感じ入りましたね。

吉右衛門さんて、すてき。
母の藤波にはなんともいえぬ切なさがただよい、子のなれのはて藤戸の悪龍はすさまじい荒ぶる御霊(みたま)。
両極端ともいえるこの二役を、エンタテイメントとして魅せ、同時に構成の確かさ骨太さ・情感の繊細さもきちんと感じさせるのは、すごいことなのではと思います。
大枠は、能の「藤戸」に借りているそうで、お能のほうも観てみたくなりました。

最後の1本「荒川の佐吉」は仁左衛門さんの当たり役です。これは、気っぷがよくてかわいげがあって人間味あふれる男前さんな役ですが、相変わらずステキング!でした。

来月はいよいよ泉鏡花モノですよ。(泉鏡花、只今私の中で大ブーム!)
玉三郎さん×海老蔵さん。楽しみですー。

2006/06/29

つきのみち

今日も蒸し暑い夜です。
でも、夜空にかかったほそぉい月のかたちが、少し涼しげでした。
そんななので、夜道も楽しく歩けます。

一歩一歩をすすめる毎に、うれしい・せつない・うれしい・せつない…が
交互にくるのはなんででしょう。
まいにちのことがすこしづつ
そんなふうにつもっていきます。

もういちど月をみあげると、それらはなんとなく、
ありがとうという気持ちにまるまっていくのでした。

…なんのことかわかりませんよね(笑)ではおやすみなさい。

2006/06/28

女性専用車って。

いやいや昨日は、帰宅してまさに「バタンキュー!」でしたね。
11時くらいから寝ちゃって、起きたのが朝8時ですよ!すごい睡眠時間です!
こんなに寝たんだから、さぞかし今日はすっきり…と思いきや「寝ていた子を起こしてしまった」状態(例えが悪いね・笑)で、眠いのなんのって。移動中の電車の中でも、座ったらさいご爆睡でした。

そんな電車の中でのお話。
帰宅途中、8時過ぎ頃でしたがこの時間は意外と混んでいるのです。
そこで私は、他の車両より空いていたので「女性専用車」なる車両に乗りました。空いているとはいえ立っている人もかなりいて。私もそのひとりでした。

何人か、知らないで乗っちゃってるのかな?という男性もいまして。そのうちのひとりに、けっこうなおじいちゃまがいらしたんです。
なんだかちょっと足元が危なくて、立っている私でさえ「あー席を譲ってあげたい!」と思うような感じ。(私はお爺さんに甘いのです!)
それが、何回目かの「○両目は女性専用車です」の車内アナウンスに、自分が間違って乗ってしまっていることに気付かれたのでしょう、ゆっくりと、つり革につかまりながら、車内を移動しはじめました。
その様子も、なんか手をとりたくなるように危なっかしいのだ!(重ねて言いますが私は「爺さん好き」なもので)

おじいちゃまがとおりかかった時、そのそばに座っていたひとりの若い女性が、席を譲ろうとしました。すると、おじいちゃまは、どうも断ったみたいなんです。
遠目でしたのでよくわかりませんが「いえいえ、ここは女性専用車ですから、向こうの車両に行きますよ」みたいな感じで、隣の、女性専用車よりはだいぶ混み合っている車両に移って行きました。

それを見て「女性専用車」って、どうなんだろう、とふと思ってしまいました。確かに朝夕のラッシュ時や、夜も深くなってからなんかは、本当にありがたいと思うのですが、そうでもない時間帯には必要なのかしら?
このシステムはまだ導入されたばかりだから、知らないでいる人に注意を促す必要もあるだろうけれど、お年寄りとかはいいんじゃないかな?
でも、当のお年寄りは「男子たるもの…であるべき」みたいなキモチが強かったり(今のお年寄りの年代の方ならなおさら)するのかな?
うーむ。

でも、アナウンスに気が付いて、自分から車両を移られたのは、このおじいちゃま一人なんです。
そのお気持ちに、なんだかとても、感動して尊敬してしまいました。

2006/06/26

そういうふうに運んでいく

「その時さいしょに思ったこと」を大切にしている。
それは些細なことからかなり重大な決断まで、一貫してはずれない。

たとえば、私の持っているお化粧品の、眉ペンとリップライナーは、同じデザインのホルダーに入っていて、外からは見分けがつかない。(実は見分け用のシールが付いていたけど、ものぐさな私が使ってないだけ)
でも毎回、なんとなく「こっちが眉ペン」「こっちがリップライナー」と思ったほうを手に取ると、間違ったことはない。逆に「そんなわかるわけないじゃない」なんて思うと、途端にはずす。

電話しようと思った時、お昼時なことに気づき「あぁご迷惑かしら」と思ったりするけど、最初に思ったカンを信じてかけると、相手に「今日は手が離せないからお昼しか電話にでられなくて。ちょうど良かった」などと言われたりする。

今日も「チョコレートが食べたい!」と思い2粒3粒口にした。そのあとずっと食事を取れない流れになり、チョコレートが元気をつないでくれた。
思ったその時に電話した方は、いつもすごく忙しい方だけど、30分も時間をとって話をしてくださった。で、その方をはさんでの様々なコミュニケーションをとても良い流れに乗せることができた。

ちなみにチョコ食べたいと思ったのは駅のホームだったし、忙しい方に電話しようと思ったのは夕食時だった。2番目に思うこと(駅のホームだし、夕食時だし、、やっぱりやめよう、なんてこと)を優先しがちな状況ではある。
(但し、その際もう一度「自分が本当にしたいと観じるのはどちらか」良く見つめると、最初に思ったほうだったりすることが多い)

そういうことが、いつもスムーズな流れを運んでくれる。そうでないと、回り道したり、自分がとても疲れたりする。
「直観」とは、そういうものらしい。
ただ、きちんと「直観」を観じることができるためには、自分の余分を削ぎ落とし、クリアーにならないと。一生懸命、クリアーに。

2006/06/25

たまれる場所

好きな作家さんが、好きな本の話をあれこれしているエッセイを読んでいたら、子供の頃入り浸っていた近所の本屋さんを思い出しました。「みや書房」という名前でした。

みや書房は、おじさんが一人でやっていて、いつ行ってもそのおじさんと、時々アルバイトのおにいさんがいて。学校帰りに仲良しの子と一緒に行って、マンガの立ち読みをしていました。他にも同じような子たちが来ていて、小さいお店の中はいつもいっぱいでした。お店に来る子はみんな、顔見知りでした。
立ち読みするだけでなくて、おじさんとおもしろかった本のことをしゃべったり、学校であったことを報告しあったり。友達とケンカしたことをおじさんに聞いてもらったり。
お小遣いが少ないから、読みたい本はまず立ち読み。そして「ホントに(買いたいほど)面白い!」と確認できたら、おじさんに「お小遣いがいついつまでにたまるから、とっといて」と頼むのです。おじさんは「いいよ、とっとくよ」と言って、ちゃんと取り置きしてくれます。
いつでも行ける、行けば誰かいる、小学生のちょっとした社交場でした。

中学生になると、だんだん帰りが遅くなったりして、みや書房に行く回数は減っていきました。でも、私たちがあまり行かなくなっても、後輩小学生諸君で、相変わらずみや書房は賑わっているようでした。

そしてあのころのみや書房メンバーがすっかり大人になった頃、昔のガキ大将が、目をまっかにして、ものすごいイキオイで走って、家に来ました。
「みや書房のおじさんが、店で倒れて、そのまんま、死んじゃった・・・」

この伝令は、恐ろしいほどの早さで近所中を駆け巡りました。みんなが大人になってから、あんなに密なネットワークで集まったことはありません。しかも、電話とかではなく互いの家を行き来して連絡しあったのです。子供の頃のように。

いま思えば、みや書房のおじさんは、あんなに子供の相手ばかりして、儲かっていたのかしら。
おじさんは、私たちのことが迷惑ではなかったのかなぁ。
おじさんのおかげで、私たちは、毎日たまれる場所があって、親たちも「きっとみや書房にいるのよ」なんて言って安心して、毎日みや書房をのぞいたりする楽しみが持てたんだ。たくさん本を読むようになったし、自分で「面白いから買いたい!」って決めることも覚えた。
あの時だって、今だって、あんな本屋さんはあそこしかありません。

おじさんは、いまごろは生まれ変わって、また本屋をやっているかしら。

2006/06/24

そういえば

始めてひと月たちましたね。
よく続いてますねぇ私。
やっぱりここを見てくださって感想なんて下さる皆様のおかげですよね。
ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします☆

2006/06/23

I hope so

さいきん設計のHさんと組んで手掛けたものが2物件あり、そのどちらもがとても楽しみです。
Hさんのものは、プランのコンセプトがはっきりしているので、空間デザインも非常に発想がわきやすい。で、その上で遊べるので、お施主さんとの打ち合わせも自然とはずんだものになります。

1件は、空間構成と室内のカラー計画で遊ばせていただきました。
3フロアにまたがる大きな吹き抜けが中心の家だったので、1階のどこにいても、いる場所によって、見える景色が(この場合は室内の景色ですね)違うのです。
よって、座った場所によって、それぞれ違う色の空間にいられるような、プランを考えさせてもらいました。
お施主さんも、とてもノってくださったので、とても楽しい打ち合わせでした。

もう1件は、外観のカラー計画と、室内の空間構成を活かした光の計画を中心に、プランさせていただきました。
外観は、見る角度によって表情を変えるように、全部で5色を使用して構成。
室内は反対に、単色の空間にして、光(照明)の配光やバランスで変化をつけてみました。
こちらはまだ打ち合わせ中ですが、お施主さんの反応はなかなか良いようです。

でも、仕事とはいえ、私達でさえほんとうのできばえは、竣工してみないとわかりません。
それまでは「I hope so...」の世界となります。
もちろん、根拠や自信(自分を信じる、という意味で)はあってのことなのですが…。

なので、数カ月後、脳内でシミュレーションしていたように出来上がるか、あるいは…?…というのが実に楽しみです。
この楽しみを一度味わうと、この仕事はおいそれとはやめられません。

2006/06/22

思わぬ乱入者?

なんでだか。
夢に「泉鏡花」が出てきた!
ワタクシこの方見たことありませんよ、写真とかでも知りませんよ。
しいていえば。
作品はいくつかは読んだことあるし、来月観に行く予定の歌舞伎の演目がすべて
「泉鏡花」なんですガ。

しかもその「泉鏡花」は、(いちおう持っていた)私のイメージと全然違うのだ。
なんていうか、丸顔で、目がクリッとしちゃってて、ニコニコと愛想良く、、
なんてったって、すごくシアワセそうなのだ。

い かーん!!
私の中での「泉鏡花」は、細面でナイーブで耽美主義で瞳の奥が暗くなくちゃいかんのだ。(なんとなく)
幸薄そうな、はかなげな風情であるべきなのだ。(なんとなくです)
なーのーにー!

気になったので、さっそく「泉鏡花」を検索しましたよ。
…やっぱり、丸顔じゃ、ないじゃん!(ちょっと安心)
ついでなんで、イロイロ調べてたら、金沢に泉鏡花の記念館があるんですね。
いままでなんとも思ってなかったのに、急に金沢まで行ってみたくなってしまいましたよ。
いいなぁ、金沢。
電車に乗って(この際飛行機ではNGでしょう)「泉鏡花」をひもとき、兼六園の噴水をみて忍者寺にいって武家屋敷を散策し治部煮をいただく。
もちろん「泉鏡花」記念館にも足を運びますよ。
いいなぁーーー。

と、ただの夢から脳内トリップしてすっかり楽しいキモチになったお手軽な私ですが。
見たこともない「泉鏡花」をひとめでそれとわかるって、どうしたことなんでしょう。
でも夢って、辻褄合わないようで合ってるような、そんなところ、ありますよね。
なによりも、自分がいちばん合点がいってますから。
でもなんで、「泉鏡花」?

2006/06/21

デパートで歌舞伎♪

三越歌舞伎に行ってまいりました。
若手中心の舞台なので、歌舞伎座などで行われているのとはやはり趣が違います。
なんといっても、デパートの中の劇場なので、劇場そのものの設えはとてもクラシカルで立派なのですが、とにかく小さい!
客席も、舞台も、小さいものですから、役者さんが普段の3倍くらいあるんじゃないかと思うくらい大きく見えます。舞台のフレームに対する嵌り方が、歌舞伎座なんかで観ると「引き」のショットなんですが、ここでは思いきり「ズーム!イン!」て感じですよ。

そんな、普段とは異なった見え方も楽しみつつ。
1本目は「車引」。ご存じ「菅原伝授手習鑑」の一幕の、人気演目でございますよ。
このお話って、ここだけ抜かれると、別にストーリーなんてあってないようなものなんですが、松王丸、梅王丸、桜丸のキャラ分けが、ゲームのキャラみたいに分かりやすくて面白いのです。
それぞれの衣装、メイク、動き、どれをとっても端的に明確にキャラ分けされていて(メイクなんて超アーティスティックな隈取りだし)、わけもなく(?)たくさん見得をきってみたり、飛び六法までしてみたり。
とにかく派手でアニメみたいで。たぶん歌舞伎を観たことのない方たちが、歌舞伎に対して抱いているイメージが、ギュッとつまってるような演目です。
でもって、件の小さい舞台いっぱいに、若くてタッパのある役者さんが勢ぞろいするもんだから、小さな(マンガの)コマに濃いキャラがぎゅうぎゅうづめになってるようで、いーやいや、アツイ舞台で楽しめました(笑)

2本目はこれまた有名な演目「女殺油地獄」。
こちらは主役の放蕩息子・与兵衛を中村獅童さんが演じていたのですが、最初に登場したときの科白まわし、誰かに似てる…!と思ってズット考えてたら、そうですよ、「新選組!」の放蕩息子・捨助ですよ!獅童さん流放蕩息子は、ああいうしゃべり方になるのかしらん?
その与兵衛が、あまりの放蕩ぶりに勘当され、お金に困って追いつめられ、はてには女=お吉を殺すに至る話なのですが、だんだんと鬼気迫る形相になっていく獅童さんのお芝居は、なかなか見応えがあり、最後の、油まみれの修羅場も、リアルかつすごい迫真の演技で、小振りな劇場ならではの迫力を堪能できました。
私は獅童さん、とても好きな役者さんなのですが、最初にこの演目をやると知ったときは「獅童さんが上方?世話物?」って感じ。だって、なんとなく「荒事」が似合う感じでしょ?
ですが、とても良かったです。町人の出で立ちも、お似合いでした。

そんなわけで若々しい舞台を楽しんだわけですが、与兵衛の父母を演ったベテランの寿猿さん、竹三郎さん、おふたりがさすがの貫禄で舞台を引き締めてらっしゃいました。

さて劇場を出るとまだ外は薄明るい。
そういえば、今日は夏至ですね。一年でいちばん「昼間」の長い日。
夏はこれからが本番ですが、太陽の動きは冬にむかっていきます。
ところで、冬至には「冬至かぼちゃ」を食べるけど、夏至って、なにか食べるのかなぁ?

2006/06/20

みんなダイスキ

誰かが電話をくれたことで ああ私もあのひとに電話してみようと思ったり
誰かに自分が教えたことで じゃあ私もやってみなくちゃと気をひきしめたり

あと押しされることってあるんだなぁと
今日ぽてぽてと道を歩きながら思いました。
それは直接 〜してみれば? といったようなコトバだけではなく
時にはひどく間接的に 全然関係ないようなことから浮かびあがってきたりするもので。

そう観じてくると、あぁあの時もこんなことに、あんなコトバに、動かされて
あと押ししてもらって 自分は動けたんだ。
そうするうちに、あんなことやこんなことが、あまりにもたくさんあって

ああ結局私は、いろんなすべてのことに、あと押ししてもらって、
支えてもらっているんだなぁと
ありがとうでいっぱいになるのでした。


そんなふうに感じて帰ると
「あと押しされたので、やってみます!」という嬉しいお便りが。
自分がされることも、することもあるのね。
まわって、まわって、いくんですね。

2006/06/19

うれしいたより♪

大好きな大好きなお姉様から、久々にご連絡をいただき。
メールアドレス交換しちゃいました!これでメル友ですよ嬉しいな。
近々お会いできそうなので、また気持ちが弾みます。

それから。
少しご無沙汰だった友人が、お手製のバナナケーキを送ってくれました。
彼女のつくるものって、バナナにも、バターにも、卵にも、粉にも、「ありがとうー!」って言ってるみたいで、とても豊かで嬉しい味がするんです。

そしてそして。
こんど新たに始まる新しいお仕事先の方から、こちらの不安を一掃してくださるような内容のご連絡。
かけてくれたコトバは、実になにげないものなんですけど。

ちょっとしたことで、距離ってぐぅっと縮まるものですね。
そう思って、思いついた何人かに、連絡しちゃいました☆うれしいなりー。

2006/06/18

あっぷっぷ

昨日おとといのニッキを遠隔操作(モブログというやつですね)でアップしているつもりだったんですがされていなく(笑)さきほどアップさせました。どこかで間違えたのでしょう。ま、でも消えてなくて良かったー。笑。

こんなふうに、新たなことしようとするといつもあっぷあっぷしてるわけで。
そんな自分もかなりオモシロイですけどね。

で、忙しくてこれまたあっぷあっぷな中、さらっと「イッキ観」いってきちゃいました。
ドラマもゆるいですが、オダギリと三木監督のトークも(深夜とはいえ)かなーりゆるかったー笑。いままでにない現場、いままでにない演技だったらしく、麻生嬢などこのドラマ後の別現場で「その演技じゃいかーん!」と怒られたらしいです。
あのつくりのドラマがテレビで見られたのは、私は嬉しかったけれど、大画面で観るとやっぱり大画面向きだなと。だってホントにばからしくてゆるくて面白いんだもん。それにテレビで見た時より、骨格がしっかりつくられてるのも良くわかったし。

オダギリは、ポンパ風に髪をまとめてシンプルなボーダーシャツ(首まわりのあき具合がすてき)で、相変わらずスタイルよくてキレイな方でした。
三木監督は、よく話が脱線するんですが、それが面白く。オダギリが園さんとよく飲みにいってるとか、当日も園さんのお宅に行ってたとか、どーでもいい話を暴露していました(笑)
1、2話を担当し「このメンバーだから、どこまでもいっちゃうかなー」と現場を離れ、最終話で戻ってきた三木監督、「こ、ここまでいっちゃってるとは〜!(三日月なんてキャラ変わってるしー)」と思ったそうですが、「まーこのメンバーだし」とそのまんまの路線で(多少は修正しつつ)撮ったとか。
客席にはケラさんもみえてたようでした。コメントは、ありませんでしたが。

「時効」チーム。面白そうー!
続編とか、あるといいのになー。

2006/06/17

メタル・マクベス

観てきました。
なんだか言葉をつくすほどに陳腐に思えてくるので、感想がままなりません。
ひたすら平たいんですが、「面白かった!」
ホントのこといえば、お芝居って、これで十分、これが一番、なんじゃないの。

4時間の舞台だったのですが、時間の長さなど感じなかったし。
終演後すぐに、先にこれを観ていた友人に「面白かったー!橋本じゅんカッコいいー!」とメールを入れたら。
「最高だよね!・・・橋本じゅんがかっこいいかはおいといて」
歯に衣きせぬ貴重な友人ですほんとに。

2006/06/16

「君は海を見たか」

最近なんだか忙しいなーと思っていたら。
某クライアント先で先月度の私の仕事量は、ダントツ一位だったらしいです。
物件数とか顧客レビューとか売り上げとか、もろもろの総合ということでしたが。「ダントツ」というのにも驚きましたがそれより驚いたのは、そういったことを集計して評価してるんだ、ってことですよ。良い内容のプランしてるかどうかってことは置いといて、ですよ。
うーん、まぁ評判が悪ければお仕事もいただけませんから、とてもありがたいことではありますね。
そして多忙さの理由が、そういった数字で出てくるのも、ある意味ありがたいことです。

で、そんな中でさえワタクシ。仕事だけにはなりませぬ。
これは自分に対する「決心」のひとつでもあるのです。

今日のタイトルは、昔のドラマのタイトルなんですが。倉本聡さんのだったと思います。
息子と二人暮らしの父親の話。(たしか父親はショーケンだった)
沖縄海洋博だったかなんかの(時代を感じるなぁ)仕事も忙しく、そんな中たった一人の息子が不治の病になり、仕事も家庭もなにもかも忙しくて忙しくて、彼は他のものがなにも見えなくなってしまっていたのですね。
毎日毎日海の仕事をしているのに、その日の海が何色か、どんな波だったか、そんなことさえも。空の色も、星が出ていたかも。回りのひとの気持ちも。
そんな時に言われた言葉。

「君は海を見たか」

そうだった、自分は海も見ていなかった、と。思った父親が、食い入るように海を見ていたシーンは当時コドモだった私にも鮮烈な印象でした。

そんなに忙しく、そんなにつらい時でさえ、海を見たりしてみれば。
枯れた土に水がしみこんでいくように、安心したり優しくなれたりするものなのですよね。
私も以前とっても忙しくて、植木を枯らしてしまったり、庭の花が咲いてるのにも気付かなかったりしていました。だから思いました。
「いろんなものに目をむけよう!」って。
そうすると、けっこう忙しいのもおもしろい。忙しい中にも楽しめることってたくさんあるんだなと、どんどん気付いてくるのです。うっふっふー♪

というわけで(?)今日も、寸暇を惜しんで夜、楽しんできまーす♪(あれっ?そっちにいく?)

2006/06/15

「降りそうな幾億の星の夜」

RAG FAIRの新曲がうちにやってきました。
ちょっと懐かしいような郷愁のある曲です。
大切にしていたのに置いて来てしまった忘れ物を
取りに行きたくなるような。

かくれんぼの最中「おやつよー」の声に呼ばれたのに
ひとりかくれたまんまになってた幼なじみのMちゃんのこととか
私をとても心配したままいってしまったひとに
「もう大丈夫、安心してね」と言ってあげられないこととか
ほかのだれかがいつの間にか
どこかに置いて来てしまった猫のこととか

星空を見て懐かしくなるのは、自分も昔は宇宙のひとつぶだったのだから、
あたりまえのことなんですよね。

などと思っていたら、公式HPで「いま逢いたい人」というメッセージを
募集していますね。
私だったら…そうだなあ、
「宇宙の一粒だった」頃の私に、また逢いたいです。

2006/06/14

見るか見まいか

夏のドラマ「ダンドリ。」の脚本を横内謙介さんが担当するらしい。
なにをかくそう私は、コーコーセーの頃から、横内さんのお芝居のファンなのだ。
年季が入ってるのだ。

いいお芝居書くんですよぅ、ほんとうに。
彼の作品のどこが好きかというと、とんでもなく青臭い正論を、正面切って成立させてしまうところ。
普通だったら、「フッ。そーんな甘いことで、世の中通ると思うのかよっ」とかいって、世の中汚いんだよ矛盾だらけだよと斜に構えいくらでも見せまくるのでしょうが。
まっとうに通していけば、正面からいくのが一番強い、「青臭い」っていうのはそう生きてこれなかったオトナの言い訳だと、彼の書くお芝居を観ると気付かされるわけです。
ちゃーんと筋通して生きて来たオトナでないと、あんな脚本は、書けません。と思います。

なので!
連ドラ初進出となるこの作品、ぜひ見ようじゃないの!
と思うのですが。。。
なんとも食指が動きません。
はっきりいって興味ないんですー題材にも出演者にも。
(あ、彼の劇団の「扉座」の面々は出演されるらしいのですが)
でもね、そんな真正面な横内さんですから、青春物、上手いと思います。

とりあえずおめでとうございます。
一回目は見ようと思います。そしてそして…
ヒット願ってまーす♪

2006/06/13

玉の井

あの天下の色男、仁左衛門さんが、夫の浮気に嫉妬しまくる女役(=玉の井)ですよー!
もうオモシロイのウツクシクナイのって…堪りませんでしたよ!笑

菅丞相とか、伊勢音頭の貢とか、惚れ惚れするほど綺麗で上品で格好良い仁左衛門さんのイメージが!
ちがうよー。。。
「こんな役もされるのね、ホント芸達者!」(じっさいうまかったです)
とも思いましたが、美しくてかっこいい仁左衛門さんがやっぱりすきーーー!(ワタクシしょせんミーハーかと)

でも、演目そのものはコミカルで見せ場も多くて実に面白かったです。
それにしても、菊五郎さんて、千鳥足の演技がほんとうにお上手。
演技を超えているかも!笑

2006/06/12

雨が降ると

いつもと違う虫が出てくる。
お天気がいい時に出てくる虫は、なんとなく軽そうで、ブンブン飛んでいたりするけど
雨の日に出る虫は、なんだかのろくてゆるゆるでぬめーっとしたのが多い。
ここのところは梅雨に入って雨続き、雨が降らなくても湿気があるから、毎日ぬめーっとした方たちに出あっている。

虫ではないけれど。
昔、山の友人宅に行った帰り、道の真ん中にいた「ヌシ」と呼ばれるガマガエルを思いっきり踏んだことがある(なにぶん、夜で、外灯もなくて暗かった)
私もびっくりしたが、ヌシも相当びっくりして、重たそうな体を精いっぱい跳ねさせて、バシャバシャと雨の中逃げていった。

友人がのんびりした声で「あーヌシ踏んだらだめだー」
というので私は驚きさめやらず「だって!なんで道の真ん中にいるのよー!」
そしたら友人は
「そりゃヌシだもん」
とケロッと言った。
靴ごしでも、ヌシの体はぬめっと湿っていた感じがした。

でも、私はこの時期出会う、のろのろゆるゆるぬめっとした方たちが、わりと好きである。
こっちまでゆるーりとなってしまう。
ヌシ。あのときは悪かった。

2006/06/11

雨ふりフルムーン

明日は満月です。
月のエネルギーが最も大きくなる日。

もう梅雨に入っていて、明日も雨が降りそうですが、
私たちに見えないだけで、月はいつもいて下さっているんですよね。

昔観た映画のこんな科白を思い出しました。

おちゃめな神様「よびかけろ。いつでも聞いているよ!」(『オー!ゴッド』)


夜道を歩いていると、ずぅっと月も一緒に歩いてくれてる気がしたり
私が月をみるときは、月も必ず私のことを見ていてくれてる気がしたり
月のことをうたうと、いつもとてもほっとするような気がしたり
していたことを、ちょっと忘れていました。

せっかくの満月なので、明日はよびかけてみようかと思います。

2006/06/10

もひとつ偶然

オダギリつながりでもうひとつ。
リリー・フランキーの「東京タワー」が映画化されるらしいです。
キャスティングは
「ボク」をオダギリ!
「オカン」に樹木希林、「オトン」に小林薫(若いオトンですねー)
そしてなーんと脚本、松尾スズキ だそうじゃないの。
これは楽しみですねー。

偶然といえば偶然

「誰にも言いません」カードもらったー!(わかる人はわかるよね)
うれしいー。いつ使おうかな(←使うらしい)

で、家に帰ってきたら。
「時効警察」イッキ観オールナイトイベントご招待が当たっていた!
どうしようーどうせ当たらないと思ってかるーくメール送ってみただけなのにー(なら応募するなといわないでっ!)
行っても爆睡ですよきっと、そもそも行くんですかね私?(だからなぜ応募する?)
すごーい行きたい人いっぱいいるのかなぁ(意外といるんですよきっと)
当日はオダギリと三木監督がゲストなので眠くなければちょっと行きたいのだが(ちょっとですか?)

「誰にも言いません」カードに運を運ばれてしまったっ! う ひ ょ ー ー ー

2006/06/09

つながってくるもの

紹介された業者さんの担当者の名前が、偶然にも紹介者と同じだったり。
あのひとどうしてるかなー電話してみようかなと思ったら、電話がかかってきたり。
なにかを一緒に始めようかといった相手が、同じ場所の出身だったり。

こんなことが毎日いくつもある。

今日も、前からちょっとカンジのいいひとだなーと思ってた人が、
私が以前よく出没してた場所に頻繁に行ってたことがわかり。
なんか嬉しかったなー。

それはつながりたいと思ってのことか、自然につながる縁なのか。

いっぽう。
なんだか色々やってるのに、なかなかスムーズに行かないことは、あまり望ましくないつながりのものなのか。
気付いて止めるか、
気付いてあえて受け止めるか、
気付かず流れに任すか。
気付かないのはつらすぎるけど、あとはそのときの観じ方で、ってことで。


2006/06/08

つつしまないとね

ワタクシ昨日はとてもよっぱらいまして。
ご機嫌さんで家に帰ってきたのですが、朝になったら
「あれー。ブログ書いてるー!」(←しかもアップしてない)
とか
「あれー!宅配ボックスの荷物ちゃんと出してるー!」
とか
「うわー。ちゃんと郵便物も整理してるー!」
とか。
知らないことがいっぱい。(いえけして知らないことではアリマセンて)

きわめつけは、なぜかバッグから、近所のバーのショップカードが出てきて。
そういえば、ゴキゲンでひとりでもいっけんいっちゃおうかなーなどとおもって
よったら、満席ではいれなかった。
で、またきてくださいねーとかいって、店長さんがくれたんだった。うわー。

こんどはキチンと(?)ひとりで行きますから。

で、朝起きたときも、まだよっぱらってたような。ふわふわふわ。わわわ。


…今日もしっかりお仕事はしましたよー。念のため。

2006/06/07

うまいなぁ

今日は、すごーくおいしい!と評判のちゃんこ屋さんに連れていっていただきました。

フツーの街の、フツーの…いーえかなりさびしい商店街(?)にあるそのお店は、
お世辞にもキレイといえない店構え、いたって庶民的なつくり。
ただ、お店の前に溢れて順番待ちしている人たちの姿だけが、人気店ぶりを
物語っています。(これがなきゃとことんフツー)

でも、評判どおり、ちゃんこは本当に美味しかったっっっ!
わざわざ食べに行った甲斐もあろうというもの。
ちゃんこだけではなくてきゅうり味噌も、クリームコロッケも、
ほんとにほんとに美味しかった!

ところがこのお店、忙し過ぎて、なかなかお店の人がかまってくれません。
私のテーブルには、美しいお姉様と、素敵なおじさまがいらしたのでわりとかまってくれました(=注文を聞きに来てくれるだけ)が、
他の方達は、ひたすら店員さんの動きを追いかけ、少ないチャンスをしっかり掴もうと、目を光らせています。うーーむむむ。。。

トイレに入ったら、こんな張り紙がしてありました。
「なかなか行き届かなくて、
 なかなか気がつかなくて、
 すみません」
この場所で謝られるとは! …してやられたりー。笑。

2006/06/06

行ってはいけない場所

友人宅に行って遅くなったのでいつもと少し違うルートで帰る。

途中に、こんな都会の一等地なのに何故かずぅっと空地の場所があって、そこにはいくつかの(本当かはわからない)ストーリィがある。
それはちょっと、ぞっとしないでもない話なのだが、さらにその話が本当かもと思わせるのは、そこには1本だけ桜の木があって、毎年必ず、どこの桜よりも早く花を咲かせるのだ。

空地といったら、普通子供の格好の遊び場だったりするが、そこで子供が遊んでいる姿は見たことはなく。
たまに犬の散歩の人を見かけることはあったけど、なんとなく私はその場所には入れない。
ものすごく、足を踏み入れられない場所だった。
噂とか、そういうことでなくて、踏み入れられないエネルギーがその土地にあった。

でも今日久しぶりにそこを通ったら、工事のフェンスが立てられていて。
なにができるのかはわからないけれど、「ついにきたか」と思った。
気持ちがざわざわする。

あのエネルギーの場所になにかが建つ。
すごいことだ。
エネルギーをわかってなくて建てたら、たいへんなことだろうし
わかって建てるのなら、大きな動きと共生してゆくことになる。
覚悟が必要なことだ。

子供の頃から、たとえば親に「行ってはいけない」といわれている場所には、それぞれそれなりの理由があり、その場所のエネルギーに対して自分が相応に受け入れる懐を持てるようになるまで、生半可には近付けないものなのだ。

2006/06/05

あんばた子

うちの近所の、私のお気に入りの、パン屋さんにいるパンなんですが。
かなーり前から彼女にはまりっぱなし。

このパン屋さんのパンの名前はどれも変わっていて「あかさん」とか「むらさきさん」とか
今でこそ慣れましたけど、最初の頃は
「あんばた子ください」
って言うだけでプププと笑ってしまってましたよ。
お店の人も「ね。おかしいですよねー」なんて。で、おもわず一緒に
「でも、おいしいですよね!」・・ハッピィ・アイスクリーム!(←知ってる?)
パンのおいしさだけでなくて、なにかほのぼの嬉しい気持ちでパンを買って帰れるのです。

ちなみに、あんばた子は、バゲットにつぶあんとバターをはさんだ昔なつかしな味わいのパンです。
いつもこれを買う時、
「あんばた子は、ひとりだとさびしいかなー、、じゃふたりにしよっと!」
と、つい余分に買ってしまい、ひとさまに「おいしいよおいしいよ」とおしつけて
あんばた子フリークを増殖させています。

あー書いてたらたべたくなってきたー。

2006/06/04

たからもの

私は、仕事が遊び、遊びは仕事、なのですが、それにしてもここ数カ月とっても忙しい。
だって、うちあわせして、プランして、うちあわせして、(おしばいみて、)しりょうつくって、プレゼンして、うちあわせして、うちあわせして、プランして、(うみさちたべて、)プランして、うちあわせして、みつもりして、ずめんつくって、うちあ・・・(おわらない)
ぷはー。
て、なりますわ たまには。

それで今日こんな言葉をココロに浮き上がらせてみる。私が仕事してきたなかで、とっても大切にしているコトバだな。


ひとつは、すっごい頑固でなかなかまともに話もできなくて、でも一度仲よくなったらすごーくあったかいひとだった、棟梁が言った。

「なんで家、建てんだよ?シアワセになるためだろーがっ!」

なんで家を建てるのかとお客さんに聞いたら、子供が大きくなったからとか、頭金ができたからとか、言われたらしい。で「違うだろ、それは動機だろうが!」とどなったらしい。棟梁らしいなあ。


もうひとつは、友人が一緒に仕事してたイタリア人の建築家が言った。

「ディテールに 神が宿る」

どんな些細なディテールさえも、気を抜かない。その結果、もっとも美しいデザインに近付ける。
ディテールに辿り着く前に気を抜いてしまったら、素人目にみてもだれたデザインになるのは私も経験している。

このふたつの言葉で、スタートラインにまた立てる気がする。

ということで、お仕事、がんばりまーす♪

2006/06/03

疲れたときにはコレ!

ぶーふーうーの、ふーのうた(といって分かるひと、いるかなー)

♪ぼーくーは くたびれたー もうくた び れ た
 ぼくは はたらき たいんだけど
 すぐに すぐに 
 くたびれちゃーぅんだよー

コレをうたってると、だんだんおっかしくなって
笑っちゃって
いつのまにか元気がでるー。ホントだよ。

2006/06/02

もうひとつ、60年代のお話

「初恋」は60年代が舞台の、ほんとうにセツナイ作品でしたが、実は先週観ていた「大人計画」の舞台も、60年代(正確にいうと大阪万博の前後)でした。
でも、大人計画はどこまでいっても大人計画、題材がなんであれ大人計画ですよ。笑って、笑って、笑いが重たーくのしかかるんですよ(笑)

苦しいのを、ちゃかしちゃう。
せつないのを、笑いとばす。
つらいのを、あざわらう。
泥の中から出て来て、一生懸命白い花を咲かせたのに、足元がいまだ黒い泥に埋められているのをどうしてもみつけてしまう。そっちとこっちをあわあわと行ったり来たりして、白い花(こうまで右往左往するとすでにこの白さも嘘臭い)としてだけ生きることができないような、松尾スズキさんの書く世界が、私はなんとも好きなのです。

この舞台では、華やかな万博と凄惨な学生運動が、対比されるようにモチーフになっていました。私のアタマの中では、ふたつはやはり結びつくものではなかった。同じ時代に起きていたことは十分理解していても、いわば「別物」として存在していました。
それを、同じ板の上にもってきて、笑わすなんて、、、やっぱり松尾スズキだよ。


2006/06/01

眠らない想い

今日は、公開されたらゼッタイに観に行こうと思っていた映画「初恋」の試写会に行ってきました。
3億円事件の犯人は女子高生だったという大胆な内容なのですが、観ているうちに私は、これはホントの話なのだと思いはじめてしまいました。

事件のあった頃、60〜70年代は独特な雰囲気を持った時代でした。その頃私はほんの子供で、なぜそんなに戦うのか、何がそんなに不満なのか、よくわかりませんでしたが、その人たちのもつ「文化」の匂いみたいなものは、なんとなく感じていました。そして、なんだかその人たちは、死に急いでる感じがして、それは恐くもありカッコよくも見えました。
そんな中に「恋」も存在することは、子供の頃つくられた私のイメージをはるかに超えていました。およそ「恋」とか「家庭」とか、縁がなさそうに見えたのです。
だからこそよけいにせつなかった。相手のためになにかしたい、必要とされたいと願う気持ちが、共犯者であることなんて。恋を恋として謳歌できず、時代を変えたい理想にすりかえてしまうなんて。けれどそれが、恋のために成立してしまうという、十分に理解できる矛盾さえも。そんな歪みの中で、二人の想いだけが純粋に、遠慮がちに光をはなっていました。
この作品にとって、「3億円事件」とか「60年代」といったことは重要なモチーフですが、「みすず」と「岸」の紡ぎ出す空気感がすべてであるといっても過言ではないと思う。それくらい二人の情感は素晴らしかったし、これで初めてこの作品が自分の細胞に沁み入ってきた感じがありました。
まるで自分のことのように。…だからホントの話のように思えたのかもしれません。
なにひとつ完了していないから、想いだけが澱のようにつもってしまって。苦しくて苦しくて、それで40年も経ったいま、語り始めたのかな…?と。ほら、ホントの話のようでしょう?

「みすず」を演じた宮崎あおいさんは、原作を読んだときに「これは本当にあったことだ」と感じられたそうですが、そうすると私は、その彼女がつくったみすずに、完全に「やられた」状況ですね。私も原作を読んでみようかなと思いました。
「岸」の小出恵介さんは「パッチギ!」でもとてもいいお芝居されていたのですが、彼の出ている作品は、これからも観ていきたいですね。緻密な計算もされているのでしょうが、現場では感覚でお芝居していそう。変幻自在、素敵な俳優さんです。

ところで私は映画はエンドロールまでみたい質なのですが、最近の作品でここで流れる曲にはがっかりさせられるものが多くて。曲自体悪くなくても、本編のイメージと合ってないと最後にきて興ざめではないですか。でも、この作品での、元ちとせさんの曲はとっても良くて、しみじみと余韻に浸ることができました。

さいごに。二人が石段の手摺を挟んでよりそうシーンがあるのですが、この上なくせつなくてキレイでした。この作品の世界観がここに集約されていたように思います。

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お気に入り☆BOOKS

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    ブラフマンという不思議な生き物に関わった私の、ゆるやかな変化の物語。
  • 吉本ばなな: 「デッドエンドの思い出」
    シアワセとフシアワセの境目ってなんだろうかと、そのボーダーラインの不確かさはむしろシアワセな贈り物なんじゃないかと思わせてくれた作品。
  • 駒形克己: 「空が青いと海も青い」
    ぜんぶ広げると1枚の紙になってしまう、不思議な絵本。広げたり畳んだりしてみるとまた、構成が変化しておもしろい。書いてあることは、一言なんだけどけっこう科学的。
  • イワサキユキオ: 「Say Hello! あのこによろしく」
    どのページを開いても、満面の笑顔になっちゃう。笑顔なのに、ウルウルしちゃう。子犬たちの成長が、愛情たっぷりの写真で綴られています。
  • 川上弘美: 「椰子・椰子」
    ありえなさそうなんだけど、ありえちゃうような不思議な日々を淡々と過ごす「私」のへんてこりんなお話。山口マオさんのイラストも可愛い。
  • 西岡常一・小川三夫・塩野米松: 「木のいのち 木のこころ 天・地・人」
    寺社建築に携わる二人の宮大工の棟梁のお話。宮大工という未知の世界の話はとても興味深く、また「真」をみるということは万事共通なんだと感じ入りました。

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