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2006/06/30

藤戸

先日観に行った歌舞伎座昼の部の感想を遅ればせながら。
とはいえ仕事が押して、最初の2演目は観られず(泣)…3演目め「藤戸」の頭からの観劇となりました。
でもこれがとても良かったので、大満足です。

「藤戸」は歌舞伎座では初の披露になるそうなんですが、吉右衛門さんが「松貫四」の名前で構成された歌舞伎舞踊で、戦で子を失った母の悲しみと、殺された恨みで悪龍となった息子の魂が鎮められるまでを描いています。
この二役を吉右衛門さんが演っておられ、双方の役の際立ち、構成のわかりやすさと奥深さ、どこをとってもドラマチックかつディテールにまでゆきとどいた感があり、ほんとうに「いいもの」を観せていただきました。
私は歌舞伎舞踊が大好きなのですが、これは唄も演奏もとても感情の起伏に富んでいて、歌舞伎というのはほんとうに、音曲とともにお芝居が成立していくのだと感じ入りましたね。

吉右衛門さんて、すてき。
母の藤波にはなんともいえぬ切なさがただよい、子のなれのはて藤戸の悪龍はすさまじい荒ぶる御霊(みたま)。
両極端ともいえるこの二役を、エンタテイメントとして魅せ、同時に構成の確かさ骨太さ・情感の繊細さもきちんと感じさせるのは、すごいことなのではと思います。
大枠は、能の「藤戸」に借りているそうで、お能のほうも観てみたくなりました。

最後の1本「荒川の佐吉」は仁左衛門さんの当たり役です。これは、気っぷがよくてかわいげがあって人間味あふれる男前さんな役ですが、相変わらずステキング!でした。

来月はいよいよ泉鏡花モノですよ。(泉鏡花、只今私の中で大ブーム!)
玉三郎さん×海老蔵さん。楽しみですー。

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