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2006/07/23

くまちゃんのこと

もう何年も前になりますが、リフォームをさせていただいた家にいたわんこが、くまちゃんです。
予算がなかったので、かなり手作り感覚で、私が天井や家具の塗装とか、カーテンを縫ったりとか、していました。
天井の塗装は、その家の主が旅行に出るので、その時を利用したらいいということになり、私はリフォーム作業およびお留守番のくまちゃんのお世話係ということで、3日間その家に滞在したのです。

くまちゃんは、なんとかテリアとかいうけっこう由緒正しい犬で、でもあちこちの植え込みをくぐって歩くので毛並みはボロボロしてて、わりとおばあちゃんな年齢でした。
すごく性格が優しくて、なぜかよそのひとの私にすごくなついてくれて、私もくまちゃんが大好きでした。
朝からリフォーム作業をして、業者さんが来たり内装やさんが来たりする合間に、午前と午後一回ずつくまちゃんとお散歩に行きます。
よそのお宅で不自由はあるものの、かなり楽しい毎日でした。

主が明日戻ってくるという夜、私は追い込みの作業でした。
明日までに終わっていなければ、その方は中途半端な家に戻ってくることになってしまいます。
帰ってきて「うわぁ、素敵になってる!」と感じていただくのが目標ですから、寝ないでも終わらせなければなりません。
くまちゃんも、そんな私につきあって、様子を見守ってくれていましたが、なにぶんおばあちゃんですから、あまり夜更かししては明日にさわります。

「くまちゃん、もう寝ようよ」といって、くまちゃんお気に入りのおざぶを持って寝室に行こうとすると、くまちゃんは「寝るの?寝るの?」と嬉しそうについてきます。
で、寝室におざぶをセットしてくまちゃんを寝かせ、「おやすみ♪」と扉を閉めようとしたら、パッと起き上がり「(一緒に)寝ないの?」
笑っちゃうほど、びっくりした顔をしてそう言います。
「ごめんね、くまちゃん、今夜は追い込みだから、一緒に寝れないの」
「(ちょっとしょぼん)そうかぁーじゃあ、ひとりでねるね!」

くまちゃんが言ってることはなんでもよくわかる。
なんだかすごくキモチが通いあうわんこでした。

数年後、くまちゃんが危篤になったことを飼い主さんが知らせてくれて、びっくりして駆け付けたら、くまちゃんはのんびりとおざぶの上に寝そべっていて。
「よかったー、この調子でくまちゃん元気になるといいねー」と安心して帰った次の日に、くまちゃんは亡くなってしまいました。

よそのおうちのわんこですが私にとってとても大切な存在で、最後まで優しくて、いろんなことを教えてもらいました。
いまも、犬を飼うならくまちゃんみたいな子がいいなぁと、くまちゃん今度は私のとこに来てくれないかなぁと、とても思います。
ちょっと忘れがたいくまちゃんのことでした。

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