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2006/11/10

美しい科白

ここのところ歌舞伎の感想ニッキになってますが、…けっして歌舞伎ばっかりにしようとか思ってるわけではないんですが、観て来たら書きたいんだもーん。(書きたいとこだけ・笑。まぁ自分の覚え書きって感じです…)
てことで、11月「顔見世」夜の部のうち「良弁杉由来」でございます。

幼少のころ大鷲に子供をさらわれ、子供を探し求めて放浪する母親と
かたや成長し高僧となりながら両親に思いを馳せるその子供
ふたりが偶然再会するという感動のお話なのですが

…成長してからだけじゃなくて大鷲にさらわれるとこからやって欲しかった!
でないとなんか、観る側のキモチとして、ついて行けないのよぅ。。
母の芝翫さん高僧の仁左衛門さんともに熱演なだけになおさら…。
お二人の演技はほんとうに素晴らしくて、芝翫さんの母親には、身につまされるものを感じたし、仁左衛門さんは気品があって思いやりがあって素敵な息子役でしたし。
こちらには全く文句なし!…なだけに勿体ないー。
いつの日かさらわれるシーンから見られることを祈るしかないですね。残念。

仁左衛門さんは、やっぱり美しい役者さんです。
立居振舞がどこをとっても一幅の絵のようだし、なんといっても(私にとってありがたいのが)科白がわかりやすいんです。
何をしゃべっているのかよくわかるし、かといって折り目正しくカツゼツよく、というカタイ感じでは勿論ありませんし。
感情がよくのって、なおかつわかりやすい。そして心に残るのです。
どんな役をやってもそれは変わらず。いつも感心してしまいます。
役者さんとして、とても重要なことですよね。
今回の良弁大僧正でも、説明に近い長い科白が多くありましたが、すべてわかりやすく、同時に役をまっとうしていて。
よく「口跡がよい」と評価されていますが、何度も観ているとほんとうにそうだと実感します。
歌舞伎の科白は独特で、わかりやすさよりリズム感やその場の雰囲気でいけてしまう場面も多いと思いますが、仁左衛門さんをみているとそれだけではなくて、どんなコトバも、美しくわかりやすく、あたたかい感情をのせて、話すことができるものなんだと、感じ入ります。
私も、柔らかく感情をのせて、美しいイントネーションで話せるよう心掛けたいと思った次第です。
…歌舞伎の話からはズレましたが、仁左衛門さんからそんなことを感じ、教えていただきました。
このようなことに気付かせていただくのもまた、素敵な観劇の贈り物です。

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