« 不思議なバーその後 | トップページ | 新年に向けて »

2006/12/29

十二月大歌舞伎夜の部

今年の最後の歌舞伎でございます。
さいごの最後まで、こうして楽しむことができてシアワセ♪
内容も、昼の部に負けず劣らずのとても良いものでした。

まず「神霊矢口渡」、菊之助さんのお舟が大人の女ながら清廉な感じでどこか江戸前。
思いきりの良さが目立ちひと目惚れした男のために大活躍といった風情。
そういえばここのところ「ヒメ」な菊之助さんを見ていないけれど、こういう大人の女性の役の菊之助さん、私はとっても好き。
どんどん役の幅を広げられて、これからいっそう楽しみです♪
いっぽうの、ごうつくばりな父親役・富十郎さん。
これがなんともごうつくばりで、ある意味喜劇的なくらいヒドイお人。
自分の利益のために追う義峯と間違えて娘・お舟を刺してしまうし、それでも悲しんだり後悔したり…はなくあくまで義峯を追いつめたい、挙句のはてに矢に打たれてしまう。
なんなんでしょ、と思うような役を富十郎さん、堂々とにくたらしく演ってくださっていて、見応えありました。

次の「出刃打お玉」、これは最初に感想を書いた日にちらっと語りましたが、菊五郎さんが、う ま い の ー 。
若いころ(といっても年増女ですが)の気っぷのよさ母性の深さから、大病を患ってよろよろした感じの老婆になってからの哀れさしたたかさなんかが、ほんとうに良く出ていて、さすがの演技でした。
対する侍・正蔵役の梅玉さん、初なかんじも、年をとってからのいやらしーい悪徳侍ぶりも、いつもの梅玉さんからは想像できないんですが(笑)なんだか嵌っていて、菊五郎さんとのかけあいもリズム良く絶妙でした。
おふたりのやりとりが笑わせてくれ、また最後のお玉の台詞には、万感の思いがこもっていて良かった。。。
あの台詞(舞台の締めの台詞としてはよくみかけるパターンですが、あれで締められるのは力量のある役者さんだけだと思います)で、あの感情を伝えてくる菊五郎さん、もう脱帽!です。
あと、タイトルにも出て来る小道具の出刃、これを投げるお玉はめちゃくちゃかっこいい!
まるで市井のヒーロー、、いやヒロイン(?ヒーローのほうが似合ってるような…笑)ですよ。
というわけで、ほんとうに楽しませていただきました。

最後の「紅葉狩」これを楽しみに劇場に足を運ばれたお客さんがたくさんいらっしゃるのでしょう、「成田屋!」「ぼたん!」などのかけ声(あえて大向こうというのはやめよう…)が実にたくさんかかっていました。
海老蔵さんはいつもながらに華やかで、一挙手一投足が自然と人の目を惹く、やっぱり魅力的な役者さんです。
ヒメな海老蔵さんはやっぱり大きいけど(笑)これがだんだんと鬼の形相を帯びていく様は、見応え十分!
先月の狐も良かったのですが、海老蔵さんの「異形のもの」はなかなかに見応えがあります。
ぼたんさんはさすが本物の女性、華奢!ちいさくて守ってあげたい感じ。
踊りもなかなか良かったように思います。
そしてそして最近の大注目の松緑さん!
これが良かったです。
自然に育ちが良くて心がまっすぐで、更級姫の美しさにもあまりよろけない気高い雰囲気、姫が鬼女と知ってからは果敢に立ち向かう若々しさ。
清廉で美しい維盛でした。
山上の右近くん、左源太右源太の亀三郎さん市蔵さんも、よかったなぁ。
とにかく華やかで、力のこもった舞台で、たいへん見応えがありました。

一年の締め、十二月歌舞伎座。
たいへん満足させていただきました。
来年も、また楽しませていただきたいなぁと、心から思います。

重要余談(笑)
亀治郎さんのお舟も、見てみたいー!
菊之助さんとは、またちがった味わいになると思うのー。
なんだか、もっと、情念の女になるような気がするのー。(八百屋お七のイメージ強すぎ?)

しばらく亀治郎さんを舞台で見れないと思うと淋しいなぁと。
あらためて思ってしまった十二月歌舞伎座…でもありました。
いつまでおあずけなんだろう。
首がのびきっちゃうよーーーん。

« 不思議なバーその後 | トップページ | 新年に向けて »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/106794/4727804

この記事へのトラックバック一覧です: 十二月大歌舞伎夜の部:

« 不思議なバーその後 | トップページ | 新年に向けて »

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

お気に入り☆BOOKS

  • 小川洋子: 「ブラフマンの埋葬」
    ブラフマンという不思議な生き物に関わった私の、ゆるやかな変化の物語。
  • 吉本ばなな: 「デッドエンドの思い出」
    シアワセとフシアワセの境目ってなんだろうかと、そのボーダーラインの不確かさはむしろシアワセな贈り物なんじゃないかと思わせてくれた作品。
  • 駒形克己: 「空が青いと海も青い」
    ぜんぶ広げると1枚の紙になってしまう、不思議な絵本。広げたり畳んだりしてみるとまた、構成が変化しておもしろい。書いてあることは、一言なんだけどけっこう科学的。
  • イワサキユキオ: 「Say Hello! あのこによろしく」
    どのページを開いても、満面の笑顔になっちゃう。笑顔なのに、ウルウルしちゃう。子犬たちの成長が、愛情たっぷりの写真で綴られています。
  • 川上弘美: 「椰子・椰子」
    ありえなさそうなんだけど、ありえちゃうような不思議な日々を淡々と過ごす「私」のへんてこりんなお話。山口マオさんのイラストも可愛い。
  • 西岡常一・小川三夫・塩野米松: 「木のいのち 木のこころ 天・地・人」
    寺社建築に携わる二人の宮大工の棟梁のお話。宮大工という未知の世界の話はとても興味深く、また「真」をみるということは万事共通なんだと感じ入りました。

最近のトラックバック

無料ブログはココログ