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2007/01/17

♪鐘に恨みは数々ござる

シネマ歌舞伎「京鹿子娘二人道成寺」(玉三郎&菊之助)を見てきました。
思えば去年、歌舞伎に嵌り出した早々に観たのがこれでした。
あんまりキレイで、そのころは今以上に知識も全然なかったし長唄もあまり聴き取れなかったし、ただただポーっと見とれてしまいました。
夢の世界のように美しかったんですよ。

で、そのあと知識がほんの少し付いてきて、いろんな方の評も読んだりして、ただポーっと見惚れるのも一興だけれど、もう一度(といわず何度でも、が希望なんですが)観たいと思っていたので、シネマ歌舞伎として上映してくれてホントにありがたいことでした♪

…で、けっきょくまた、あらかた見惚れてしまいましたが(^-^;
でも、一応そんな中での感想を。私的メモでございます。

舞台でみたとき、私は3階席だったので、序盤の「道行」の部分をあまり観れなかったのです。
でも、これはとっても重要な導入部分でした。
ふたりが重なるように踊るのですが(もうほんとうに、一心二体の双子みたい!)菊之助さんは揚幕から花道を通って登場するのに対し、いっぽうの玉三郎さんはスッポンから登場する。
つまりここでは最初から、花子は「人間」(=清姫)であり「妖のもの」(=蛇)である存在なのです。

それを観客はわかって、観るわけですから、同じように動くふたりのちょっとした表情や動きに、注目せざるを得ない。
あるところに恋に一途な乙女・清姫を見、もういっぽうに恨みに悶える悲しい蛇の姿を見、それが入れ替わりたちかわり、双方とも乙女にりあるいは双方蛇になり、かたや乙女こなた蛇となり、というめまぐるしい変化を見届けることになるのです。
もし花子が一人の役者で表現されるなら、最初は清姫、徐々に本性の蛇になる姿を追っていくことになると思うのですが、二人の役者が演じるということで、最初からその二面性を同時に表現し、そのバランスが移り変わっていくさまを見せていく。

この私の見方が正しいのかどうかはいまひとつわかりませんが、一人「花子」が観客(あるいは僧たち)の視点(いくらみんなが筋を知っているとはいえ脚本の組み立て上、最初は花子の正体は明かされていない)なのに対し、二人「花子」は、花子の内面に大きく関わって表現されているように思います。
最初から乙女の姿の内面に、蛇がいる。
それがどこで目をむくのか。ちょっと、そら恐ろしい状況であります。
そのあたりがたいへん興味深かった。

もちろん、映像での表現のしかたが舞台のそれとは異なるので(なんといっても私は3階席だったので〜!)、よく観察できるところもあったり、台詞や音楽もより音がクリアになっていたりして、わかりやすかったのもあります。
また私も、最初に観たときよりもいくぶん落ち着いて見れましたので(笑)
でもでもそれにしても、おふたりともなんて美しいんでしょ。
玉三郎さんの怪しい美しさはいわずもがな、菊之助さんも色気があってとても良い。
踊りの息(ほんとに呼吸が一緒という印象)もよく合っていましたし、眼福至極でございました。

1/26までやっているのですよ。もう一度みに行けたらいいなぁ。

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コメント

>みゅぅさん、ホントだ、3回もきてる(笑)
今月は、歌舞伎の公演が多くて、新年そうそう道楽三昧させていただいてますねぇ。これから浅草と、演舞場の「新感染」があるのですよ。それなりにいろいろ大変なんですけど、やめられませーん(笑)

こんにちわ。
何個かコメントが届いてしまったらごめんなさい。
mamiさんは2007年も歌舞伎一色になりそうですね。
だって、まだ2007年は始まったばかりなのに、もうすでに何公演も楽しんじゃってますよね。
素敵な1年になりそうですね。

こんにちわ。
いやあ、2007年のmamiさんも歌舞伎一色ですね。
まだまだ2007年は始まったばかりなのに、一体いくつ観賞しているんですか?って感じです。
mamiさんは今年もいい年になりそうですね。
毎回思いますが、mamiさんの感想を読んでいると、どんどん歌舞伎の世界引き込まれてしまいます。

こんにちわ。
いやあ、2007年のmamiさんも歌舞伎一色ですね。
まだまだ2007年は始まったばかりなのに、一体いくつ観賞しているんですか?って感じです。
mamiさんは今年もいい年になりそうですね。
毎回思いますが、mamiさんの感想を読んでいると、どんどん歌舞伎の世界引き込まれてしまいます。

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