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2007/02/23

「忠臣蔵」昼の部

さてさて二月大歌舞伎は「仮名手本忠臣蔵」通し狂言です。
昼の部は、「大序」「三段目」(有名な松の間刀傷はこの段)「四段目」(そして塩冶判官が切腹に至る場)、そして舞踏「道行」。
今回は久しぶりにイヤホンガイドを借りてみたのですが、小山観翁さんのお話ぶり、興にのってるという感じで内容も興味深いし語りは流麗だし、この方「忠臣蔵」がお好きなんだなぁと思いました。
おかげさまで私も楽しく新発見、目から鱗の連続。
「忠臣蔵」は大曲ですが、物語の面白さに加え、歌舞伎ならではの様式美に溢れているとのこと。
ことに「人形口上」「大序」では歌舞伎が文楽の流れから派生してきたことを表現しているというので(ブロガー役者さんからいただいた知識!)様式美好きの私はそれもとっても楽しみにしていたのでした。

「大序」の前には「人形口上」があります。
これは、出演する役者さんを人形ぶりで紹介していくものなのですが、こんなところに文楽の流れを表現しているのです。
役者さんの名前を言う前に「えっへん、えぇっへん!」と咳払いを繰り返すので(これは役者さんの名前をよく聞いてもらうために注目を集めているのだそう)それが耳に残って残って楽しいのですが、拍手のタイミングが難しい!
ひとりひとりにたくさん拍手をしたいのですが、次に被ってしまうので、ちょっと遠慮ぎみに(笑)。
人形の動きも表情たっぷりで、ことに最後の口上(ごゆるりと御覧くだされ、みたいなね)の前には首をくるりと一回転!
人形ならではの注目の集め方でした。

そして「大序」。
「き」(何故か漢字が出てこない…木へんに斥、と書きます)の音・鳴物に合わせてものものしくゆっくりと幕が開いていきます。
この「き」の音は、四十七士にちなんで四十七回打たれるということですが、歌舞伎座は広いのでそれでは足りないらしく八十回くらい打たれるそうです。
そして七、五、三の「とざい、とーざい」の声。
幕がゆっくりと開いて少しづつ舞台が見えてきますが、板についている役者さんたちは微動だにしません。
彼等はまだ「人形」なのです。
ここにも、文楽への敬意が現れているのですね。
幕が全部開ききり義太夫の流れに乗って、人形だった役者さんにひとりづつ息が吹き込まれ、動き出していきます。
幕の前からこのあたりまでの、演出の素晴らしいこと!ワタシこういう世界観、大好きなんですよ。
これから何が始まるんだろう、きっとすごいことが起きるに違いない、と思わせるような荘厳な雰囲気の幕開き、そして役者さんがひとりづつ動き出したときのワクワク感。
もう堪りませんね。
板つきのときの並びも本当に美しい一幅の絵のようです。舞台装置、役者さんの位置、衣装の色…。
完璧なまでの様式美。

これに乗る役者さんはきっと、品格よく美しく、けれども人形のようになってはならず、徐々に血が流れ込んでくる様を表現するのは難しいでしょうね。
世紀の横恋慕・師直がやたらでかい恋文を渡そうとしたり、流れが急に世話っぽくなっても品格は保ってたりして。なんかそのあたりのバランス感覚もとても興味深かった。

昼の部ではこのふたつ(といっても「人形口上」は演目ではありませんが)をとっても楽しみにしていたので、続く三段目四段目の「事件」にあたる時代物的な部分、よもや寝ちゃわないかと(お昼のあとだし)危惧しつつ、なんだかダラダラと長いのでまた明日にいたしましょ。

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