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2007/02/24

歌舞伎座昼の部その2

「仮名手本忠臣蔵」、三段目は有名な刀傷の場、四段目は切腹の場となり、物語「起承転結」の「承」にあたる重要な部分なのですが、
この段にも含まれる「起」にあたるところ、ずいぶんと知らないところがありました。
(もともと私は忠臣蔵のストーリーをあまり知らなかったのですが…)

まず、塩冶判官は最初は師直には嫌われてなく、むしろ若狭之助が師直の標的。
でも、賄賂をもらって若狭之助が標的から外れたのと、判官の妻・顔世に師直が熱烈に横恋慕していたせいで、標的は判官に。
師直って、誰かをいじめてないと気がすまないのかしら、ホントに憎たらしい!また、富十郎さんが爽快に憎らしく飛ばしていって下さるものですから…(笑)。
いっぽう菊五郎さんの判官は、いじめられて可愛そうなんですが、ずっと耐え忍んでいるし、なんだかぬらりんとしていて(なんとなく、わかってください!)摑み所がない。
こらえきれず刀傷沙汰になってしまう悲劇性はあるものの、この人になんで由良之助のような忠義な家臣がいたのか、いまひとつ説得力なし。
(これって、もしかして「三国志」の劉備玄徳に、孔明や関羽や帳飛がぴったりとついていたわけが未だにわからない、ワタシの傾向性?)

うーん、まぁここに引っかかっているとあとに続かないので良しとして(あれっ)
この段での富十郎さんの意地悪っぷり
顔世御前・魁春さんの品の良さ美しさ
菊五郎さんの品の良さ
はとてもとてもお芝居を引き立て引き締めていて、さすがの役者っぷりなのでした。

切腹の段では、イヤホンガイドで詳しく切腹の儀礼を説明してくださり、たいへん勉強になりました。
が、あの儀式(といえると思う)の式次第(?)を、当時の武士はたがわず覚えていたのだろうか。
切腹なんて一生にあるかないかなのに、立派にその形式をふんで全うできるのは武士の魂あってこそなんでしょうか。

と、ちょっと横道に逸れながら観ていつつ、切腹して苦しい息の判官のもとに、由良之助が駆け付けたところでは思わず泣けてしまいましたよ!
とにもかくにも間に合った、ここのところは素晴らしいシーンでした。(でも由良之助は吉右衛門さんがいいの)

途中までですが、「仮名手本忠臣蔵」、大曲にして人気演目なだけあって、お話がよくできていると思いました。
こうして順を追って観ていくと特に良く分かります。
話が長いだけに舞台の転換などもめまぐるしいのですが、廻り舞台や幕前など活用してスムーズにかつ面白く転換されていました。
松の間刀傷の場の転換では、大道具さんが上手から、くるくると巻いたござの端を持ってザーッと投げると、勢い良く下手までノンストップでござが敷かれていって、思わず客席から「おぉーっ」というどよめき、そして拍手がわき起こり。
そんな楽しい(?)パフォーマンスも見られました。

またまた長いですが、昼の部まだ終わりません。
お次は舞踊「道行旅路の花聟」。明日に続くー。

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