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2007/03/09

フンデルトヴァッサー展 と ハート展

動いているフンデルトヴァッサーを初めて見たのは、数年前NHKで放送されたドキュメンタリーで、石井竜也がヴァッサーの住んでいる森を訪ねる、というものだった。
しかもそれはリアルタイムで見れなくて、後日友人におねだりしてビデオをダビングしてもらったものだ。
フンデルトヴァッサーは、アーティストで建築家で、そして今でいうナチュラリスト、環境活動家、といったいろんな肩書きで表現されるけど、一貫して「ありのまま」で生きた人だと私は感じている。

ヴァッサーの森には、いたるところに唸るようなアートや建築があふれていて、しかもそれはなんのエゴもなく森と共存していて、アーティストや建築家にありがちな「どーだ、コレを見ろっ」みたいなところは微塵もなく自然に存在していた。同時に人間らしい可愛らしさも持って。
石井竜也がヴァッサーの森から帰るとき、途中まで見送りにきたヴァッサーが「じゃあ」といって森に戻っていくその姿が、そのまま森に溶け込んでいく仙人みたいで、「なんだかオランウータンみたいな人だなぁ」などと思ったものだった。

今日は、そんなヴァッサーの展覧会@日本橋三越 に行って来ました。

ヴァッサーの絵。
水彩、油、版画、素描、様々なもので描かれているたくさんの作品。
美しい色彩は深く力強くいきいきとしている。
細かすぎると思われる描写は、どこまでもその内側を深く探っているかのよう。
たとえば人の顔であれば、皮膚のかんじ、その下の血管、ひとつひとつの神経繊維、さらにその下に潜む本質の魂まで。
大地ならばそこに染み入る地下水、はりめぐらされる植物の根、その下のマグママントル、そして地球の息づかい。

きっと、いつもいつも、そのものの奥にあるもの、そのものの先にあるものを
見ているひとだったのだろう。

感覚的な色彩と
理知的な分析力と
ものごとを構築する多次元の目と

彼の残した有名な建築のひとつに「芝草地の家」というのがある。
今でこそ「屋上緑化」なんていう言葉は普通に浸透し、実現されてけれど、
このひとはずっと前からそういうことを提案していた。
…と思っていたら、それは私の理解が間違っていて、
「住まいの上に森がある」のではなく
「森に住まいがぶら下がっている」のだということを初めて知った。
大きなちがいだ。それがヴァッサーのすごいところだ。

会場では45分にわたるビデオも上映していて、あまりに興味深かったのでそれも全部見て、ヴァッサー本人が語る作品への思いなども聞くことができた。
また図録やはがきも販売されていて、美しい色彩のはがきを何枚か購入したけれど、はがきというよりそのまんまアートとして展示できるくらい分厚くて立派なはがきだった。

作品の才気、素晴らしさはもとより、これからの私自身の生き方、地球との宇宙との関わり方を、もういちど考えるにとても良いきっかけをいただいた。
3/11までなので興味のある方はぜひぜひ。
ヴァッサー、ありがとう。


そしておとなりの会場ではやはり11日までの「ハート展」開催中。
これは、障害のある方が書いた詩に、各界の著名人が絵や書や立体模型などをつくってコラボレーションしているというもの。
これには、亀治郎さんも出展されていて、「おじいさんがだいすき、ぜーんぶすき!」といった内容の詩に、おじいさんのイラストを付けられていた。
このおじいさん、黒の地にパステルで描き出されていてなぜかちょんまげ(笑)、バックには黒のなかに黒字でその詩が書かれているという凝った構成で、なかなか気鋭のものを感じる素敵な作品だった。
けど、子供からみたらこのおじいさんは、あまり好きじゃないかも(笑)
かわいげも威厳もあるおじいさん、亀治郎さんのおじいさん像でもあるのだろうか。

…と、いちどにふたつの展覧会を見て、たいへん充実の一日でございました。

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コメント

>はなみずきさん、わー行きそびれましたか!残念でしたね。
今回の表記は三越展にならって「ヴァッサー」としましたが、個人的に馴染みのあるのは「ワッサー」です。ま、日本語じゃないんでなんともね(笑)。
うずまきは、私も大好きなモチーフなんですが、ワッサー曰く「うずまきにはなんでも含まれている。生も死も、宇宙も、進化も、なにもかも」ということです。

あぁぁ。。。行きそびれたんですぅ。まだやってる。。けど行かれない。。まぁいっか(笑)ヴァッサーなのかワッサーなのかどちらなんでしょうねー。。石井さんの作品も十字架やアンモナイト(うずまき)が多いのでその原点のヴァッサー氏の作品がどんなものか見てはみたかったなぁって。ハート展もたしか私の好きな人の作品があるんです~(^^)☆゛

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