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2007/05/31

若冲展@承天閣美術館

Rimg0012京都のおめあてその1は、相国寺・承天閣美術館で行われている若冲展。
これが仰天の混雑ぶりで、館内に入るまでにゆうに1時間は並ぶありさま。でも、会場の係の方達は不馴れな雰囲気ながら丁寧に一生懸命やってくださっていて、また並ぶ行列のラインには長々とテントを設営してくださり、並んでいる間に読めるようにと若冲展のことが書かれている日経新聞の特集記事を配ってくださったりと、さまざまな心配りで和ませてくださいました。

さて、やっとの思いで入場できた館内、もちろん会場内も混み混み。
それでも、入場制限をしているだけあって、きちんと見ることができました。

会場内は、若冲の不思議なエネルギーに満ちていました。こんなに人がいるのに、そしてざわざわと空気は動いているのに、その輝きは燦然と光を放ち、静かにストレートに届いてきます。
こんなにたくさんのひとたちのエネルギーに、阻まれていない。本当に不思議でした。
第一展示室のほうは、ちょっと水墨っぽいやわらかい筆致の作品や、いわゆる若冲の画風とは趣の違うものが展示されていて、若くて柔らかくて包み込むような空気感がありました。
ぶどうの蔓のしなやかさ、鳥の羽のふわふわのあったかさ。若冲というと細密画に近いようなイメージでしたが、ここには鷹揚な気風もみてとれて、そのひととなりにも触れられた感じでした。
圧巻だったのはやはり第二展示室の植物画動物画、そして釈迦三尊像。
極彩色の色使い、恐ろしいまでの微に入り細にわたった写実、植物も動物もまるで、生きているかのようです。
けれどもそれは生々しくなく、「生」というものをそのまんま、一瞬にしてここに閉じ込めてしまわれたかのように、美しすぎるのです。でもフリーズしてるのではない、体温とか弾力とか、感じるのですよ。
「釈迦三尊像」のなんとも神々しいこと。
若冲の深い信仰があらわれているようで、思わず手を合わせてしまう。
暗めの館内で、それらは華麗に浮き上がって見えるのです。
こんなに一同に介しちゃって、いいの?ほんとうに、ありがとうございます、って感覚でした。

この時代は「絵絹」というものに絵を描いていて、若冲も例外ではありませんが、絵絹に描くとどうしても色が沈みがちになるんですよね。絵絹に描かれた作品は当然年月が経っているということもありますけど。
なので、何故このように輪郭をはっきりと、色も鮮やかに描くことができたのかと、見ている間ずっと不思議でした。
そうしたら、解説の中に「表からも裏からも彩色されている」とあったので、なるほどと思いました。
若冲はこれらの作品のほとんどを四十代に描いたというのには驚きです。ものすごい創作意欲だったのでしょう。

混雑ぶりには驚きましたが、やはりこの場所で、若冲を見れたことがほんとうに良かった。
若冲が生き、信仰し、学び、通いつめた相国寺に、ふたたび若冲が帰ってきて息づいている。
たくさんの作品を一同に見れたことと同時に、この場所の持つエネルギーとともに私自身もそれを経験できたということが、なによりも有り難いと感じ入りました。

さいごに、お寺の事務所(もともと廚だったという、天井の高いすばらしい建物でしたよ)に寄ってご朱印をいただいたのですが、そのときにお寺の方がおっしゃるは「いつもはのんびりゆったりしたお寺なんですが、急にこんなになってしまって…慣れないので大変です。でも、たくさんのお客さん、みえてくれはって、みなさんに十分にみてかえってほしい」と。なので、いつもはお寺の拝観は5時までなのですが、4時半に最後の入館をしたお客さんが帰るまで(こうすると閉館が8時近くになってしまうそうです)開けておられるとか。普通なら最後の入館時間を繰り上げたり、閉館時間にはお客さんを出してしまったりてしまいそうなところですが…ほんとうにありがたいこと。
ご朱印はもちろん、とても素敵でした(^-^)。
若冲とその作品たち、そして相国寺さんに、心から心から感謝をいたします。京都まで来て、ほんとうに、良かった。

★相国寺さんのHPで若冲展が体験できます。コチラからHPに入り「パノラマプレビュー」をクリックしてくださいね!

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