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2007/07/12

NINAGAWA十二夜

10日夜、「十二夜」を観て来ました。歌舞伎に再び嵌って1年半、このたびの再演は私にとっては初のNINAGAWA十二夜、しかもお席は1列目のかぶりつき、とあって滅茶苦茶楽しんで参りましたー♪

まずは噂に聞いていた鏡張りの舞台装置にわくわく。
場内が真っ暗になって定式幕がひかれると、客席の提灯の光がうつりこんで不思議な美しさ。徐々にライトがついてくると満員の客席がうつりこんでいて、いとをかし。
以後、くりかえし登場するこの鏡、反射したり透けたりする効果を使ってまるで世界が透き通ってなんでも見えるような、ここに生きるものはどこからでも見られているような、不可思議な美しさ奥行き感をかもし出します。ぜーんぶ、あけすけな世界なはずなのに肝心なとこは見えてない登場人物たち。その摩訶不思議、倒錯した世界観。鏡に映るは真実なのか嘘なのか。

船に乗って登場した菊之助さんのキレイなこと。男性のふりをした琵琶姫がときどき女性らしくなっちゃったり、早変わりで(当然)男っぽい主膳之助になったりと、変幻自在に演じ分け、楽しんでいるよう。その変化のつけ具合がとても良く、さすが再演を熱望したというだけのこなれ方でした。

評判の、亀治郎さんの麻阿、これ以上ないくらいの飛ばしっぷり、一挙手一投足に自然と目がいってしまう吸引力。ちょっとしたことにも綿密な演技計画をたててのことだろうと思いますが、ほんとうに弾けて、楽しそうに演じていました。
ストーリーの中の狂言まわしとして、主筋と副筋とを結ぶ役割として、あるいはひっかきまわすトリックスター的なものとして、存分にその魅力を発揮。才気ばしった感もちょっとありましたがそれが麻阿にはぴったり、まさに亀ちゃんにうってつけの役でしたね!もう笑った笑った。
久々に舞台の亀治郎さんを観れて、満足このうえなしでした♪

おばかなお公家様の翫雀さん、トロいんですがかわいげがあってラブリィでしたし、3ばかトリオのうちの團蔵さんが翫雀さんをたきつけて果たしあいをそそのかすところなんて大爆笑もの、團蔵さんのこんなお役は初めて見ました(^^)。
麻阿の恋人洞院鐘道の左團次さんを加えた4人で坊太夫をだますシーンもひたすら面白く笑い転げ、そんななか鏡に映りこんでいる後ろ姿さえも役者のみなさんは絵になっていて、なんて隙のない芝居なんだと驚いたり。

左大臣の錦之助さんは男っぽくて格好よくて、さすが襲名されただけあってかなんだか大きくなられた感じでしたし、時蔵さんの赤姫はひたすら赤姫してたし美しかったし。でもふたり揃って、最後に双子が現れて誤解がとけたとたん(いくら顔が同じだからって)おぉそれじゃこっちで、みたいなのんびりさ加減も笑えました。(左大臣は、獅子丸をちょっと好き…?って予兆があったけど織笛姫は…笑)
(ちなみにこのシーンのもうひとりの菊之助さん、お面を被ったほかの役者さんがやってらしたのですが、犬神家〜!と思ったのは私だけ〜?笑。1列目だけによく見えて…笑)

でもって菊五郎さんの捨助が格別でしたわ♪麻阿とはまったく違うんですが、ちょっと視点をひいた狂言まわしとしてとぼけたお味を出していて…。二役の坊太夫、あのウコン色のヒラヒラを頭につけたのは菊五郎さんのアイディアだったのでしょうか?…面白すぎです。。

…とまあ、筋も台詞もわかりやすくて、遊び心いっぱいの舞台で、ほんとうに笑いっぱなしでしたが、不思議なのは「確実に歌舞伎」なのに「絶対にシェイクスピア」なこと。
とくに台詞まわしなどは、歌舞伎の役者さんがしゃべっているので当然歌舞伎調なんですが、リズム感や言葉のもつ流麗さはまぎれもなくシェイクスピアなのです。
台本の力、演出の力、そして役者さんのシェイクスピアへの理解の深さと体に根付いている歌舞伎の力と、いろいろなものがミックスされて絶妙なバランスで溶け込んだ、完成度のとても高い舞台、と感じました。
ちなみに大好きーな野澤松也さんが作曲・演奏されててこれまた嬉しかった!美しい手の動きと艶っぽい音に酔いしれました〜(^^)。
今月はもう一度(千穐楽に!)観に行ける予定なので、さらに盛り上がるのではないかと楽しみです。

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コメント

>るるるさん、ありがとうございます(^^)。評判通り、面白い舞台でした。
るるるさんは博多で御覧になったんですね。私は博多座はまだ行ったことがありませんが、行ってみたい劇場のひとつです。
劇場によって、雰囲気は異なりますよね。私は東京では、やはり歌舞伎座が好きですねぇ(^^)。

良かったですねー★
それも最前列なんて羨ましい(^^)v
私は今回博多でしか観られなかったので残念です。
やっぱり歌舞伎座になると違いますよね。

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