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2007/08/05

アマテラス

2007080417270008/4・夜の部@歌舞伎座 を観てきました。
去年の夏に世田谷パブリックシアターでやっていたのですが、そのときは観てませんでした。
よって今回が初見、そして鼓童を生で聴くのも初。

今回のこの公演、チケット代が半端なくて、「いやー玉様だとやっぱり強気だわー」なんて思って
なおかつパンフレットが(今回は「パンフレット」でいいのかな?)正味30ページを下回る薄さなのに1200円、やっぱり強気〜!って思ってたのですが

いやー本当に良かった!感動した!

…3階席だったワタクシ、途中20分の休憩の間に、1階までパンフレットを買いに走りましたよ!
(今回3階のロビーではパンフの販売はしていなかった)
で、早めにお席に戻って、心の準備。
ギリギリに席についてざわざわした気持ちで観るのが、いやだったんですもの。
それくらい感動しました。

…私はきっと、和の「打楽器」が大好きです。
魂に、ズンズン響いてくるのです。
空間を振動させ、そこに存在するあらゆるものを共鳴させる。
太古のひびき。本質の声。
小鼓大鼓、能囃子の切り裂くような笛の音、そして和太鼓。それぞれに、しかり。

アマテラスの話は日本人ならみんな知っているような、古事記にも日本書紀にも登場する有名な「天岩戸」伝説です。

太陽の神様であるアマテラスが、海の神様のスサノヲノミコトの悪行乱行にほとほと困り果て、岩戸の中に隠れてしまう。かくて真暗になって、悪行疫病その他もろもろが蔓延し、これまた困り果てた高天原の神様達が知恵を絞り、真暗なのに飲めや歌えやの大騒ぎ、アメノウズメは肢体もあらわに激しく踊り、それを見た神々はまた大笑い。…自分が岩屋に隠れていて真暗なはずなのに、なぜそんなに楽しそうなんだろう?といぶかったアマテラスがほんのすこうし岩戸を開けたその瞬間、タヂカラヲノミコトが岩戸を大きく開き、アマテラスは高天原を再び明るく照らすこととなった。

という「神話」ですが、これを「太陽の死と再生」と捉え、冬至を迎えて太陽の力が一番弱くなろうとする時期(秋の収穫後)にまた太陽の力が再生する(夏至に向かう)ことを祈りその年の収穫に感謝する、大嘗祭の儀式と絡めているという説もありますね。

さておき、玉三郎さんと鼓童の舞台です。
ステージ奥には足場のようなものが組まれ、ここにオブジェのように銅鑼が配されています。
この舞台構成が美しい。
そこに、様々な打楽器が、登場したり退場したりフォーメーションを変化させながら演奏が絶え間なく続いてゆきます。
この構成がどんどんステージに引き込ませてゆき素晴らしい。

現れた玉三郎さんは、ほんとうに光輝いていて太陽神そのもの。
ひるがえす布の色、空気を孕んだ動きが美しい。
スサノヲも布を使って荒ぶる魂を表現する。
鼓童のみなさんの演奏は、力強く、原始的で、余分なしちめんどくさい美辞麗句みたいなのがない。
太鼓を打つ、ただそれだけの、でもそれだけに至高の作業が、かっこいい。

ことに、高天原の岩戸の前での演奏は、圧巻でした。
ところが、アメノウズメの踊りは、これ、難しいですねえ。
神話によると、相当きわどいんですよね。○○も○○も丸見えにして踊り狂うんです。はっきりいってたおやかとか優雅とか、そういう種類のももではないんです。
下世話なようですが、これも「死と再生」のテーマの一環。
そのへんが弱いので、ここだけ何となく拍子抜けな印象がありました。
あまりお上品な踊りにせず、鼓動童ならではの力強さで押したほうが良かったような…

鼓童の皆さんの演奏は、シンプルで力強くて、同時に巧みなステージング。
鼓童だけの演奏を生で見たことはないのですが、玉三郎さんがここに加わることによって「神々しい」「光」が増されたのではないかと、またアマテラスという物語があったことでステージの構成に訴求力があったのではないかと、感じました。

魂に直接訴えかけてくるような音だったので、ステージが進むにつれどんどん引き込まれていき、幕がおりたときには客席は大喝采、3回(?かな、よく覚えてないの)のアンコールでは花道にまで並んで演奏をしてくれて、楽しかった!
鼓童のみなさんも、楽しそうでした。
もっと、もっとと言いたくなっちゃった。
会場、スタンディングオベーションの感動と興奮の坩堝でしたよ。
ほんとうに楽しい舞台で、行ってよかった!鼓童のコンサートにも行ってみたくなりました!
今回はたった3回の公演なんですが、またぜひともやっていただきたいです。

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コメント

>kirigirisuさん、チケットが取れてほんとうに良かったですよね!あまりの素晴らしさに私ももういちど行きたくて、5日も6日も仕事で埋まっているのにWEB松竹をのぞいてしまいました(笑)
お能のお囃子も、魂にズンズンきますよね〜。ほんと、太古の血が騒ぎます。早くも、再演を望んでおります(^^)

mamiさん、こんにちは。

土曜日の感動が忘れられずに、今日も行っちゃいました。(奇跡的にチケットの戻りがでました(^^)v)

わたしも和の「打楽器」と笛と人の声(地声?)が好きみたいです。(^^)
だから、お能の囃子が好きなのかも?気持ちが落ち着くこともあるし、笛の音色だけで昂揚させられることもあるし。太古の血が騒ぐっていうんでしょうか...。今日は笛の音にしみじみしちゃいました。ふぅ~。

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