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2007/10/10

歌舞伎座昼の部

ここに書くのがなにやら久方ぶりになりました。
先月の感想も書いてないうちに、十月歌舞伎座昼の部に行ってきまして(^-^;
しかもちょっと体調をくずしており「赤い陣羽織」が見れませなんだ。。。いろんな歌舞伎ブロガーさんの記事を読んでいるととても評判が良いようなので、がっくり…。二枚目な錦之助さんの「オヤジ」も観たかったのにー(泣)。時間があったら幕見するかなー。

おまけに今日はゴールド前売開始日…それも忘れておりまして。気が緩んでおります。
でも幕間に電話して、いちおうチケットは希望の日にほぼ希望の席を確保。ホッ。
あぁなんだかやることが我ながらのろりんくらりんな今日この頃…いつまでもこれではいかんぜよ!

と我を引き締めつつ
以下、簡単な感想です。

「恋飛脚大和往来」封印切、新口村
藤十郎さんは基本的に上方のひとなのであまり歌舞伎座にはお目見えせず、私は六月歌舞伎座「妹背山…」の定高が初見で、それ以来でした。
定高の印象が強かったので(なにしろ藤十郎さんの定高で、私の妹背山苦手意識がなくなったくらい感情移入できた)立役の想像がつかなかったのですが、当たり役なだけあってこれまた印象に残る忠兵衛となっていました。
この方って、人間像の組み立てがとても濃ーいタイプなんですね。さらっとスマートに演じるのではなく、こってりたっぷりした感じ。
私は実は、あまり濃いのは得意な方ではないのですが、藤十郎さんのはとても琴線にひっかかってきます。不思議。

で、有名な「封印切」の場は、もっと重たい場なのかと思っていましたが、意外にも軽妙なやりとりが面白い舞台でした。
八右衛門の挑発に乗りつい金子の封印を切ってしまうくだりは、(小道具が小さいものだけに)実はちょっとわかりにくい。けれどもここで大仰な演出をしても今までのせっかくの軽妙さが損なわれてしまう。難しいところだと思いますが、このあたりの抑えめなところが、私はけっこう好みです。きっと役者さんのさじ加減で、かなり変わってくるところではないかと。藤十郎さん三津五郎さんの力量あってこそ。これが大罪であることもきちんと説明され、忠兵衛のやるせなさも伝わってきて、このシーンがやはりいちばん見応えありました。
そして傾城梅川の時蔵さんの奇麗なこと。さいきんとみに、脂がのってきている感じがします。

「新口村」では逃げてきた息子忠兵衛とその恋人梅川を、見ぬふりをして逃がす父親・孫右衛門(我當さん)の哀切のこもった語りがなんともいえず心に沁みました。行方を心配していた息子にやっと会えた。間違っていることはわかっている、でも見なかった会わなかったことにするから逃げろと、自分の貯めたお金を渡して逃がす姿に、涙。父親の精いっぱいの思い。
それを結び付ける役割を果たした梅川の愛情。
激しく降る雪景色の舞台装置も美しい、印象に残る一幕でした。

気になったのは(本日三階席だったからか?)藤十郎さんの台詞があまり聞き取れなかったこと。ストーリーはいたって単純なので追えるのですが、台詞の美しいところもたくさんあったであろうに、残念でした。

「羽衣」
玉三郎さんは奇麗ですねー本当に。
この方はとても地上の方とは思えません。かといって天上のものでもなく…異形のもの?
花道を踊りながら進むとき、三階席なので足元など当然良く見えないわけですが、見えている上半身は、するすると流れるように動いていらっしゃいましたよ。
まさに天女の動きでした。
愛之助さんとの組み合わせも、きれいー♪
衣装の色あわせも、とても上品で華やかで、美しい舞台でした。

ところで、先日藤十郎さん門下の雁五郎さんが亡くなられたと知りました。
あまりなじみがなかったのですが、まだお若くて(六十歳)体調を崩して舞台はずっとお休みされていたということで…残念でなりません。
今月は東京で舞台がかかっている藤十郎さんも、駆け付けたくてもできなかったかもしれない、と思うとせつないです。
ご冥福を心からお祈り申し上げます。

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