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2007/12/21

能楽現在形@宝生能楽堂

12/20、楽しみにしていた「幸弘☆萬斎☆広忠☆能楽現在形」を観にいく。
とはいえ、チケットを手配したのがものすごく遅くて、今回は覚悟していたものの、脇のいちばーん後ろの、座面が跳ね上がるタイプの座席。
まーしょうがないな、あの時点でチケットが取れただけでありがたいと思い席に着くと、これがなかなか座り心地が良い。
宝生能楽堂の、折り畳みでないほうの椅子って、私にはちょっと背面の傾斜が急すぎて、座面の高さもちょっと低いし、「おねむ〜りな〜さい〜」みたいな椅子なのだ。
リラックスするならともかく観劇したりするにはもう少し背筋がまっすぐになる椅子がよい。(とくに能楽堂ならば)
舞台も遠いけどよく見れて、ことのほかよかった。

…余談から入ってしまったけど、本日の番組は以下のとおり。

舞囃子 山姥
 シテ   坂口 貴信
 
 笛    一噌 幸弘
 小鼓   吉阪 一郎
 大鼓   亀井 広忠
 太鼓   前川 光範

 地謡   観世 銕之丞、岡 久廣、関根 祥人、林 宗一郎


一調 道明寺
      野村 萬斎
 大鼓   亀井 忠雄


能 三輪 白式神神楽
 シテ 里女/三輪明神  片山 清司
 ワキ 玄賓僧都     宝生 欣哉
 アイ 里人       野村 萬斎

 笛    一噌 幸弘
 小鼓   吉坂 一郎
 大鼓   亀井 広忠
 太鼓   前川 光範

 後見   観世 銕之丞、清水 寛二、味方 玄

 地謡   観世 清和、武田 宗和、岡 久廣、関根 祥人、
      浅見 重好、上田 公威、坂口 貴信、林 宗一郎

今回いちばん期待していたのはやはり「三輪」で、「白式神神楽」の小書は、本日のシテ・片山清司さんの家に伝わる演出だそうだ。これは近世になってつくられたもので、能では比較的新しい部類に属する。

片山さんは、舞が綺麗で凛としていて、美しかった。
とくに、後半の神楽の部分は、囃子方のリズミカルな演奏とともに、リズム感・軽やかさ・美しさ・気高さなどがあって、その空気感にこちらも高揚した。
それと、この日使われていた面の表情のすばらしいこと。
神秘的で温かくて神々しくて楽しそうで。(遠くからだけど)見入ってしまった(笑)。
お囃子好きの私としては、もっとお囃子に気をひかれるかと思っていたけど、ここは片山さんの舞が素晴らしかった。

そして、一調「道明寺」での亀井忠雄さんが、やはり素晴らしかった。
うまく説明できないけど、軽みの境地、とでもいうのでしょうか、音は爽やかに軽やかに木霊し、一分の狂いも迷いもない鋭さはあるものの、総じて温かくて、深い。
長年一分の妥協もなく鍛錬してくると、こうもゆるやかにその境地が表現できるのかと思う。唸ってしまう。

そしてまた、この日は地謡や後見など、目立たない役回りにいらした観世銕之丞さんの存在感が、大きい。
もちろん目立っているわけではないのだが、舞台をしっかり支えているその風情に貫禄があるのだ。
地謡で座っているときも雰囲気があった。

そんなこんなで、予想外にお囃子以外に気持ちを持っていかれた「能楽現在形」なのでありました。(今日のお囃子は、ちと弱かったか?うぅーむ)


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コメント

>kirigirisuさん、ほんとうに、亀井忠雄さんは素晴らしいですよね。
私のような、なんにもわかっていない者にもすごいと感じられます。
私も、鋭くも深くて大きくて暖かい、あの音が大好きです。まるで宇宙空間のようです。(^-^)

mamiさん、こんばんは。
昨日は、ご一緒だったんですね(^^)

亀井忠雄さんは、わたしなんかが言うのもおこがましいですけれど超越した存在ですよね。mamiさんがおっしゃるように、鋭いけれど深くて暖かさを感じる大鼓の音色が大好きです。

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