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2008/01/26

今月の見納め

新春浅草歌舞伎、二十五日に通しで行ってきました。
一部は年明け早々に観ているので、おとく吃又がどんなふうに成長しているか楽しみ。
二部はこの日初観劇なので、各方面で評判の高い亀治郎さんの雪姫が楽しみでした。

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二部の終わりに撮ったんですけど、ライトアップされてて昼間のようによく撮れました。


第一部、「傾城反魂香」、勘太郎さんの又平が格段の成長ぶり。
以前観た時(4日ですから始まったばかりのときですね)は、吃音の必死の台詞にとても力が入ってて、こちらも方に力が入ったのですが、いい意味でこなれてきたという印象。
おとくの亀治郎さんは、いつどこにいても必ず又平のことを見ている。見ていなくても、絶対に意識の中心に又平がいる。もうほんとに抱きしめてあげたいくらい又平のことを思っているのが伝わってくるんですよね。だから又平のかわりにぺらぺらしゃべっていても、出過ぎてる感じじゃなくてむしろ愛おしい。
勘太郎さんの又平も、喜怒哀楽が素直で、可愛らしいんですよね。
勘太郎さんと亀治郎さん、ほんとうにいいコンビだと思います。このお二人の組み合わせでまたなにか観てみたい。

「弁天娘女男白浪」この七之助さんの弁天は、4日に観たときのほうが私は好きでした。気張る台詞を気張りすぎちゃってて、たぶん娘のふりをしているときと、男に戻ったときの差を、もっとはっきりつけようとしてたのかなと思うんですが、双方のバランスがちょっと悪かったような。
5人の勢ぞろいの場はやはり格好いい。歌舞伎らしい。どこをとっても絵になるう。
…ここでも亀治郎さん、勘太郎さんにほぼ釘付け(笑)。


第二部。

「祇園祭礼信仰記」
今日はこれを観るために参りました、といっても過言ではないです。亀治郎さんの雪姫を、それは楽しみにしていました。
三姫のひとつ雪姫を、雀右衛門さんの指導でやることになり、ニンではないがハードルが高いほどやりがいがある、と言っていた亀治郎さん。自分の雪姫なら、縄を引きちぎりそう、とも言ってらした。なるほどそんな感じはしないでもないなと思い、確かにいままで亀治郎さんがやってきたお役とは全然違うので、ちょっと想像ができませんでした。想像できるのは「亀ちゃんならやるだろう」ってことだけ。

…はたして、いままでの亀治郎さんじゃないような、美しさ。じっとすわっているだけで、そのはかなげな首筋がせつなく熱く、匂い立ってくるような美しさなのです。
私は雀右衛門さんの雪姫を観たことはありませんが、こんな感じだったのでしょうか。
いままでの亀治郎さんと、「香り」が全然違うので、びっくりしました。

花吹雪がドッと降り注ぐシーンでは、桜の花びらにかき消されそうになる雪姫の姿があまりに美しくて、涙が出そうでした。
縛られていた縄が解け、一刻も早く夫のもとへと急ぎ花道にかかるそのときに、抜いた刀に自らを映し鬢をととのえるその仕草は、なにものかを超えたようなオーラがありました。
私は今日、花道近くの席でしたので、これを至近距離で観れたのは忘れがたい至福のときだったと思います。(白状するとここでまた涙が…(^-^;

亀治郎さんに、あまりに心を奪われておりますが(笑)、松永大膳の獅童さんが大きさのある色悪で素晴らしい存在感。
此下東吉の勘太郎さんも、きりりとした身のこなしで、舞台が引き締まりました。
亀鶴さんは最近とても役柄が大きくなられたのに、あのお役では勿体ない感じ、正直いってもっと(別の魅力で)見たかったです。

この亀治郎さんの雪姫は、何度でも観たい。そして、三姫のほかのお役も観てみたくなっちゃった。
第二部は明日が楽。あー明日も行きたい!でも行けない…観にいったあとがいちばん、また観たくなるからきりがないんですけど、それにしても亀治郎さんの雪姫、毎日でも見ていたい、そんな感じでした。


「与話情浮名横櫛」
今回の浅草の四演目中ではあまり興味をそそられていなかったんですが、意外に(失礼)良かったです。
愛之助さんの与三郎はなかなか魅力的でしたし、お富の七之助さんはかなりがんばっていたと思います。実際がまだ若いから、いろいろかいくぐってきた女性の深みを求めるのは難しいんじゃないかと。
ひょうひょうとした独特の味わいの小山三さんが、お元気に出演されてて嬉しいかぎり。

…えーと実はこれを見ているあいだもまだ、雪姫の残像が残ってて。。。ごめんなさいー。

↓今日のおみやげ。舞台のと、花道脇と、両方少しづつ拾ってきちゃった。
 花道のは、きっと亀ちゃんの衣装からこぼれたものですよん♪
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コメント

>SwingingFjisanさん、はい、もうほんとうに情感豊かでしたね。あの、花吹雪の中で立ち尽くす雪姫の姿が、思い溢れて行動を起こす決心を徐々に固めていく感情の高まりと重なって、尋常でない美しさでしたね。
亀治郎さんが戻ってきてくれたことしの浅草、ほんとうに見応えありました。また観たい、もっと観たーい!ですよね(^-^)

おみやげ、羨ましいです。亀ちゃんの雪姫、情感豊かで、雀右衛門さんの美しさを自分のものにしていましたね。花びらの中のあの美しさは忘れられません。
私としては、又平・おとくももう一度見たかった。mamiさんの感想を拝読した後では余計そう思います(もう遅い・・・)。

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