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2008/02/29

横山大観@国立新美術館

200802291619000
ようやっと行ってまいりました。
もうすぐ会期終了とあって(3/3まで)お昼間に行ったにも拘らずけっこうな人が出ていました。
老いも若きも、昼日中からこーんなに、美術展に来る人がいるのねー…って、私もその一人ですが(笑)

それにしても国立新美術館は、広い。
こんなにたくさんの大観作品を、一度に見たのは初めてで、相当圧倒されてしまいました。
すごい仕事量ですよ。量、と同時に、質、なんですけど…。
どれもこれもものすごくスケールが大きくて。
40メートルもの長さの絵巻「生々流転」も初めて全部を一気に見れて大感激。
また、ボストン美術館からお里帰りの作品もその筆致が心に残りました。すごくいい作品なんです。

日本画って、琳派に代表されるようなちょっとグラフィカルな味わいがイメージされるけど、そして大観さんももちろんそういう画風で描かれてもいるけれど、この方の筆遣いには独特の「動き」とか「滲み」みたいなものがあって、それが大陸的なおおどかさ、スケールの大きさになってきているように感じます。
すごく古典的な手法、観察眼で描かれている(たとえばより見せたいものを大きく描く構図のとりかたとか、歴史上の人物の時代考証とか、過去の大家の画風の研究とか)のだけれど、それを大きく超えた、まさに「大きさ」があるのですよ。
そんなこともあって、私はこの方の風景画、とくに今回は「水」のある風景に惹かれました。

今回も、何点もの海や、池や、霧などの「水」を表現した作品がありましたが、どれも表情がある。
怒っている水、おだやかな水、包み込むような水、静かなる水、透明な水。
ことに前述の絵巻のような作品に関しては、そのときどきに表現されるものが刻々と変化していくさまに物語がある。おだやかな川面を漕いでいく船が大海に出、嵐に出会ったり(このときの空には龍神雷神が!)うねりに巻き込まれたり、静かな海岸に着いたり。
あるいは、金魚の棲む水の透明感。
朧月夜の海に浮かびあがる波頭の白いこと。
雨十題。
海に因む十題。
淵の深さ静かさ。
滝壺の飛沫。

いまの私が「水」というものを求めてたのかもしれないけど、とても印象に残りました。
またこの方の描く山も、里も、雲も、空も、悉く大きくて、偉大な自然に敬意を払わずにいられません。大観さんご自身が、そういう心持ちで描かれたのかもしれませんね。

ちなみに、会場の外ではいろいろなグッズが販売されていましたが、大観さんの大好きな「お酒」を販売していたのには笑えました。
この方、ほんとうにお酒がお好きで、数ある作品のなかには、飲みながら描いてたみたいなのもあるという逸話もあるくらい。あと、出世作といわれている「無我」という作品なんて、童の絵なんだけれど、なんとなく酔っぱらった顔のような感じがするのは私だけ?(笑)
スミマセン、私、子供の頃から「大観さん=お酒のみ」っていう図式が、抜けないんです…coldsweats01
でも、大観さんのその「大きさ」に、ずっと惹かれておりますです。はい。


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コメント

>SwingingFjisanさん、こんばんは。
名前のとおり、ほんとうに大きな方ですよね。スケールの大きさ深さに感動しました。今回行かれないのは残念ですが、大観さんならまた機会があると思いますよwink
国立新美術館も、広い!でも上野みたいに疲れないのが不思議です。(上野の美術館て、体力使いませんか?)六本木はいつの間にか美術館の森のようになりましたよね。近場で美術展のはしごができて楽しいです。

大観さんは、もうお名前からして大きいですよねsmile
私も、大観さんの大らかな(何もかも包み込むような大らかさを感じます)画風が好きです。と言いながら、実のところ、ごくごく有名な絵しか知らないのですがcoldsweats01
mamiさんの感想を拝読したら、私も見に行くべきだったなあとちょっと後悔(3日終了では、残念ながらもう無理)。
大観展の前はたしかフェルメール展でしたよね。六本木にこんな見事な美術館をつくってしまうなんて、なかなかだと思いました。

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