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2008/02/23

博多座・夜の部 感想の巻

夜の部は、「菅原伝授手習鑑 車引」「鳴神」「蜘蛛絲梓弦」の3本。第一のおめあて「蜘蛛…」の感想は前にアップさせちゃったので、ここでは最初の2本を。


菅原伝授手習鑑 車引
今月は歌舞伎座でもかかっている。
そうでなくても、しょっちゅうかかっている人気演目。
…なんだけど、さすがにこの花形にあっては、演技が若ーい!なんだか元気いっぱいという印象。
ことに、梅王丸の勘太郎さんは弾むような動きで、見得から六法から、ほんとに勢いがいい。
夜の部の私の席は、花道にうんと近かったので、引っ込みの飛び六法などものすごい迫力だった。

対して桜丸の亀治郎さんは、ちょっと憂いを帯びた雰囲気。
もともと桜丸はものごしも柔らかいし動きも大人しめだが、繊細な感じが漂っていた。
だけど、時平公にかかっていく時なんかはやはり荒事の所作、威勢がいい。
亀治郎さんの手の動きが相変わらず美しくて、見入ってしまった。

松王丸の獅童さんはこういう荒事がお似合い。でも大きいわりには威厳は少々足りなかったような…?
この辺り、花形の若さか。
時平の男女蔵さんもやはり若い。かなりがんばってはいたと思うけど、風格がもっと出るといい。

総じて、梅王丸桜丸には若さがうまく作用し、抑えの側の松王丸時平公には逆に働いた印象で、バランスは偏りがちだったかも。結果、梅王丸と桜丸の印象が強い舞台になっていた。


鳴神
鳴神の愛之助さん、今回はまさに“自分として”この役に向かい合ったのではないかと思われる。以前は海老蔵さんの急きょの代役で、大変だったろうからなあ。
愛之助さんに、この役はとても合っているんじゃないかと思う。ことに後半、雲絶間姫の裏切りに気付いてぶっかえるとこなんか、とても良かった。
前半の、徐々に雲絶間姫の術中にはまっていくところなんかも、コミカルでよい。ラブりん素敵だなあ。

雲絶間姫の七之助さん、可愛らしかったのだが、もっと賢しい感じがあっても良かったなあ。
あくまで私のイメージだけど、雲絶間姫って、美しくて賢くてちょっと強い感じがする女性なんじゃないかと思うのだ。
七之助さんの絶間はなんだかとっても素直な感じがして。そんなに素直では鳴神上人は落とせないわよー、なんておせっかいなおばさんみたいな気になってしまった(笑)。

などと語っておきながら、実はこの日の早起きと睡眠不足(この日の睡眠2時間弱)がたたったのか、絶間の身の上語りの場面は意識が飛んでおりました…。この絶間の見せ場をちゃんと見ていたら、七之助さんの絶間への印象が違っていたのか?

「鳴神」って、よく上演される人気演目だし、私も違う役者さんで数回見ているけど、いまだこれっ!って組み合わせがない。
噂によると先月の海老蔵さんのが評判良かったようだが、残念ながら見れなかったので…。
でも、愛之助さんの鳴神上人はきっと、さらに素敵になるような予感がした。

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