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2008/05/25

格好良さを堪能!「五人男」

5月25日 夜の部 @歌舞伎座

今月の歌舞伎座の目玉、「青砥稿花紅彩画」(あおとぞうしはなのにしきえ)を観てまいりました。
じつはもうちょっと前のチケットをとっていたのですが、仕事でやむなく諦め、今月はもう無理かと思っていたところ急に時間を空けることができての観劇。捨てる神あれば拾う神あり。ということで、嬉しく観劇してまいりました。

人気の「浜松屋」「稲瀬川」の場は何度か観ていましたが、通しでみるとあらためて「そういう話だったのかー!」というところが満載、いままで見取りで観ていたところはただ格好良く、歌舞伎らしい名シーンの連続でしたが、その裏には意外と複雑なストーリーも流れていたことに感動しました。

序幕、盗賊団「白波五人男」が集まるまで。それぞれがそれぞれのいきさつで泥棒になるわけですが、不思議な縁にひかれてこの五人が結集していく面白さ。
弁天小僧・南郷力丸と日本駄右衛門の出会いに絡んでくるのが、梅枝くん演じる千寿姫ですが、梅枝くんたら、いつのまに、あんなに色気が出てきたの〜?lovely もう、美しいし、許嫁を思う気持ちは若い姫そのもので、いじらしい〜。それに、赤星十三郎の時蔵さんと対面する場面は、観てる私も緊張しちゃうくらい見応えありましたわ。師匠であるお父様と渡り合うシーンはことに力が入るのでしょうね。
まだバラバラの五人(弁天小僧と南郷力丸は兄弟のように育ったという設定なので、最初から一緒なんですが)が糸をたぐりよせられるように集まっていく様子は、見応え十分、随所で笑わせるシーンもたくさんあって、実に楽しめました。稲瀬川谷間の場のだんまりも、きまってましたねー。
この流れで弁天小僧・南郷力丸のふたりは浜松屋にたかりに行くのね。

二幕目、有名な浜松屋の場。歌舞伎を知らない人でも「しらざぁいってきかせやしょう…」という台詞は誰でも知っている、その名台詞が聞ける名場面です。
菊五郎さんの弁天はさすがに上手い!最初に登場したときの娘役は、さすがにお嫁入り前には見えませんでしたけど(笑)正体がばれて開き直ったときの力の抜け加減、生まれついての泥棒稼業が体の髄にまでしみわたってる風情で最高でした!
南郷とのやりとりも軽妙、それに右往左往する番頭の橘太郎さんがなんとなーく商売人ぽい小ずるさ全開。宗之助の海老蔵さん、やっぱり大きい!(笑)そして美しいー!このお坊ちゃま風情の役、良かったですね。
しかしまさか、日本駄右衛門と宗之助、弁天小僧と浜松屋の主人が親子だったとはー!…できすぎ(笑)
日本駄右衛門の團十郎さんと宗之助の海老蔵さん、これがあってのキャスティング?おふたりの親子再会のシーンに、客席からは笑いが思わずもれてました(笑)
ところで日本駄右衛門がなぜ弁天小僧たちのたかりを押しとどめたのか、浜松屋の店先のシーンだけではよくわからなかったのですが、このシーンを見てよっく、わかりましたscissors

…で、これまた有名な「稲瀬川勢揃の場」は、悪事が知れ渡り詮議が厳しくなってきたために「逃げる」シーンだったのね。
逃げるわりにはド派手だから、いままでわたくし意味わかってませんでした〜(笑)
あーでもこのシーンは、いつ観ても格好いい!5人が5人、それぞれに、惚れ惚れしてしまいます。
台詞も、じつに有名な名台詞の連続で、流麗な歌舞伎の絢爛さが楽しめます。
このシーンと浜松屋だけが抜きで上演されるわけはわかりますが、これだけ見てもその関係性はまったくわかりませんよね。通しで観れて良かった…。

大詰、弁天小僧の極楽寺屋根上での大立ち回りと立腹(立ったまま切腹すること)の場、これももーう見応え十分!(弁天がこうして死んじゃうってことも、初めて知った…catface
立ち回りのエキサイティングさ、美しさ。大仕掛けのがんどう返しでも、菊五郎さんものすごくふんばって、ぎりぎりまで屋根の上に顔を出していました。すごい。
で、返って舞台は極楽寺山門、日本駄右衛門團十郎さんの立派なこと。あの豪華絢爛な山門の舞台が似合うこと!
でもって山門がぐぅーっとせりあがると(このあたり、歌舞伎ならではの舞台装置の豪華な見せ場ですね!)富十郎さん登場。日本駄右衛門を追ってきた捕手の大将ですが、観念した日本駄右衛門にこの時代ならではの情けをもって逃がしてやる。
というところで美しく見得をきって幕切れとなるのですが…
あとの三人はどうしたの?どこに行ったの?と気になって仕方ないわたくしでした。


いやーもう思いきり楽しみました!
通しって、やっぱりいいですね!いろんなことが新たにわかります。
それに、配役がこのような「大人版」の五人男を観たのは初めてだったんですが、いやいややっぱり、練れてて格好いい!
江戸の粋は(この舞台は鎌倉、って設定ですが)大人の男性でないとなかなか表現できないのかしらー。若くて清々しいのもいいですが、根っからの不良で(赤星十三郎だけはちょっとちがうか)、でも筋のある泥棒で、粋で人情に厚くて…って、五人が五人、それぞれに味があって、良かった〜!もう本当に、「惚れ惚れ」でした。
また、ぜひ「通し」でやってください、菊五郎さん。


三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)
松緑さんの華やかな舞踏。長唄の調子も良かったし、奴とのからみも楽しくて、型もキレイで楽しめたのですが、いかんせん「五人男」通しのあとにもってくるにはボリューム負けしてる感が否めません。
でも、夜の部のおさめとしては、お目出度く、華やかで、動きがあって楽しめる、気持ち良く帰ることのできる内容で、良かったのかも。
松緑さん、踊りキレイなんですよね。江戸っ子っぽさという点でも、似合っておりました。

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コメント

>SwingingFjisanさん、ありがとうございます。
観れてほんとうに良かったです。なかなか眼福ものの舞台でした。
海老ちゃん…誰がいいでしょうねぇ…?ゆくゆくはやっぱり日本駄右衛門だと思いますけど、その前段階としては忠信利平もいいかも♪
若手で五人を構成するなら…と想像が膨らみそうです(^-^)

おはようございます。
ご覧になれて本当によかったですね。
仕掛けも大掛かりだし、なかなか通しでやるのはむずかしいかもしれませんが、五人男は時々は通しで見たいですよね。
今度は海老ちゃんが五人のうちの一人になったのを見たかったりして・・・(誰の役が合うかしら)

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