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2008/06/28

祭りのあと

昨日で、私のコクーン歌舞伎は終わっちゃった。それを少々淋しく感じながら、ぽつぼつと思い出されたことを。

会期前半に行ったときは、ギャラリーで串田明緒さんの写真展をやっていた。
串田歌舞伎の裏側。お化粧をするひと、鬘を取るひと、袖で待つひと…その中に源左衛門さんがいた。
一枚は、あのお馴染みの、帽子を被った素顔の写真。素敵なお爺ちゃまだ。
もう一枚は、なんのお役のときだろう、立派な拵えをしたところ。
折しも、笹野さんの「泥まみれになる義平次の役をやったことのある唯一の同士。いつも泥場を袖から心配そうに見守ってくれていた」という意味合いのパンフレットの一文を読んだばかり。ぐっときた。
いつまでも、やはり側にいるひとなのだなあと思った。それは羨ましくもあり。

パトカー出現のあのシーンを、5年前に見たときに、この時間あの場所にいれば逆の景色が見れる、と
別の日に渋谷に足を運んだ。
あの、搬入口の、奥のホリゾントが開いた途端、会場中に濃密に詰め込まれていた質量のものが、「ブワッ!」と外に吹き出してきたのを憶えている。
そしてそれは、出口を得たからといって希薄になるわけでなく、会場外にいたひとたちをも巻き込んでいった。
すごいエネルギーだよ。コクーン歌舞伎。

今回初めて、平場最前列で観るという幸運に恵まれたのだけど、舞台も近いし通路も近くて、役者さんたちの足とか、無性に目がいってしまった(だって目の前なんだもん・笑)
なかでも感心したのが、笹野さんの足。貧乏だし意地汚いしで、汚れたメイクを足にもしているんだけど、(失礼ながら)あのお年の方とは思えないくらい、ツルッツルなの。
仁左様も膝小僧がキレイだったけど、笹野さんのふくらはぎもきれい。あ、とくに私、足フェチじゃないんですけど。

全体的にお祭り気分でとっても楽しいコクーン歌舞伎。そのあり方には好みもはっきり別れるでしょうし、賛否両論だと思いますが、こんな歌舞伎もあるんだという視点でそのエンタテイメント性を存分に楽しめることは確か。
今回はエンタテイメントな面と、じっくり舞台を掘り下げる面の、バランスが良かったと思う。
願わくば、サービス精神ばっかり行き過ぎてしまいませんように。次回もまた、存分に楽しませていただければ幸いです。

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