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2008/08/25

亀版・道成寺

「亀治郎の会」もういっぽうの演目京鹿子娘道成寺。亀治郎さんが道成寺をやるなんて、と驚いたのと同時に、舞踊の大曲、亀治郎さんの舞を堪能できると、楽しみにしておりました。

今回の「亀治郎の会」は、プログラムにもあったとおり、「Kamejiro Gala」なので、所化さんたちの問答や踊りは最低限におさめられ、ほとんど花子の独り舞台に近い。
最初に花道すっぽんから登場した花子は、最初から妖しげな雰囲気を漂わせる。魔性の妖気。鐘に絡み付く視線に漂うものは尋常でない。
その亀治郎さんがとにかく美しくて、直前に俊寛をやっていた人だとはとても思えない。

登場してすぐに、たいした問答もなく舞を所望された花子は、すぐに舞をはじめる。衣装を替え小道具を替え、次から次へと踊り続ける。(間に所化さんたちの傘の踊りが入るくらいで、亀治郎さん、踊りっぱなし!すごい体力です)
長唄の心地よいリズムの変化にのり、舞う亀治郎さんの踊りのなめらかなこと。また、舞台上でのひきぬきは一回しかなかったのだが、舞台袖に引っ込んでの衣装替えの時間の短いこと、さすが澤瀉屋さんである。
舞台のキラキラ感と華やかさ、踊りのなめらかさ美しさ、踊り手としての亀治郎さんの天才ぶりを、存分に堪能させていただいた。

亀治郎さんのつくられるものには、いつも精緻な組み立てと、斬新な視点と解釈があり、加えて尋常でない表現への追求があるので、そのあたりを受け止めることが楽しくて仕方ないのだが、このたびばかりは、道成寺の世界にただひたすら酔いしれて、夢心地な幸せ気分で劇場をあとにすることとなった。
そういったプログラムの組み立て方にもやはり亀治郎さんらしい意図を感じて、かくも嬉しいカンゲキの一日でありました。

来年は、小劇場で8/7〜9日ということ。今から心待ちにしております。

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