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2008/10/22

十月大歌舞伎昼の部

10月21日 久々な感じの歌舞伎座へ。
午前中のお仕事で、「重の井」と「奴道成寺」見逃しちゃった。残念。「魚屋宗五郎」は見逃せないわ〜!と頑張って滑り込み。良かったよかった。

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「魚屋宗五郎」歌舞伎暦の短い私なのに今回でもう三度も観ております。勘三郎さん×時蔵さん、幸四郎さん×魁春さん、そしてこの日の菊五郎さん×玉三郎さん。それぞれに味があるのだけど、今回の組み合わせが私的にはいちばん好きかな。勘三郎さんの茶目っ気、幸四郎さんの男前、その間の感じの菊五郎さんなんだけど、「間」という表現はとりあえず便宜上なので。
菊五郎さんにいつも感じるのは、ものすごく庶民的で親しめるところと、ピリッと決まったところのめりはりがあって、そのどちらにも他方の香りを感じさせない。そこが、好き。飲兵衛でしょうもない宗五郎だけど、人間的な親しみはあるけどけして品が悪くならない。そこのところは歌舞伎役者さんて必須項目だろうと思うけど、菊五郎さんはそのさじ加減がことに絶妙だと思うのだ。
玉三郎さんのおはまは、けっこう抑えめの演技だったような気がするけど、それがまた、やり過ぎてなくて良かった。
おふたりの、ほんのすこしの絶妙なさじ加減の応酬だったような。そしてねえ、菊五郎さんて過剰過ぎないんだけど、色気があるのよねえ。
あ〜楽しかった。キーワードは「過剰でない」。大人のさじ加減、ですな。

「藤娘」、傘寿の芝翫さん。傘寿って、齢八十のことだそうで、いままで知りませんでした…。
筋書きによると芝翫さんの「藤娘」は六代目菊五郎さんの型を次いでいるのだそうだ。「藤娘」もこれで三回目。海老蔵さん、福助さん、そして芝翫さん。これまたいままでで一番、可愛らしかった。たいへん失礼ながら、いままで芝翫さんをとってもいい、と思ったことはあまりなく、今回初めてすごい方なんだと思った。すみません。
とにかく八十歳などと感じさせない動きだし、ふとした仕草が本当に可愛らしく、踊りはキビキビしていて小気味良かった。
そう、キビキビしているのだ。なのに、酔った風情は清々しい色気があって、でも変に尾をひかない感じだったのが不思議な魅力だった。なんというか、うまく表現できないけど、「藤の精」の世界を見せていただいた。薫りをいただいた。その場の空気の、粒子のひとつひとつまで、いつもと違うみたいだった。
こういうのを「至芸」というのね。
そしてまた、唄が良かった。詞章もよく聞き取れたし。笛がまたよかった。
素敵だった。これは、本当に、観れて良かった。

ということで、最初の二演目見逃した昼の部なので感想もさらっとしてますが、よかったよかったの大満足です。
少しの間、観劇を自粛してたということもあって、歌舞伎座の席についただけで嬉しくて、ニコニコしちゃった。演目をみてまたしてもニコニコ。
楽しい観劇でございました。

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コメント

>SwingingFjisanさん、コメントありがとうございます♪
そうなんですよね、歌舞伎座は行くだけで楽しい気持ちになります。他では味わえない芝居小屋のわくわく感があるのですよね。
仰るように建て替わってもそのわくわく感が失われないでいて欲しいです。

今日はこれから中村座です。いざ!笑。

歌舞伎座の席についただけで嬉しくて…ええ、ええ、よっくわかります。
新しい建物になっても、そういう気持ちがもてるといいのですけどね。歌舞伎という中身の魅力は変わらなくても、ハコが違うとどうなるのかなぁwobbly

試験、お疲れ様でした。前向きに学習を続けられるmami様はステキですshine

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