« 心はすでに二月に | トップページ | ぽろりぽろりと »

2008/11/28

ボストン美術館浮世絵名品展

11_s_o

11月27日、すべりこみで行って参りました。
会期(11月30日まで)もぎりぎりなら入館もぎりぎり。17時半には閉館してしまうのに、入ったのが16時50分くらいですよ!coldsweats01
でも、そこそこな混み具合でしたので、比較的落ち着いて見ることができました。…館内放送で「あと10分で閉館です」っていわれたときにはさすがにあせりましたがdash

今回の展示は、時代別にされていて、その時々のエポック・メイキング的な主題が提示されていて、とても理解しやすいものでした。初期のものは色数が少なく(ほとんど朱と黄色系の色)顔料の種類も限られていたのだということも分かります。
鈴木春信の頃からとても色彩が豊かになり、見ているだけでも楽しいものになってきますが、時代により新しい顔料が手に入るようになったこととか、流行の色があったのでしょう、色彩感の変遷もみてとれて楽しいものでした。

全体には、いままで見たものよりも「役者絵」「舞台絵」が多く、歌舞伎ファンの私にとっては興味深いものでした。その時代の役者さんのことを詳しくは知らなくても、隈取りや衣装は今と変わらないものも多くあり、また絵師の表現により誇張されていたりリアルに表現されていたりという違いもあったりして、そのときの人々にとって、どこが印象強かったのか、何が受けていたのか、ということも(私の知識程度であっても)おぼろげながらわかります。

また当時の風俗を描いた作品も多く、人気のある遊女というのは、それはそれは憧れの的だったのだなということもよくわかります。

浮世絵自身の作風とはまた異なって、幕府の統制の程度も、よくその画風に現れていました。禁止項目がどんどん多くなっていくんですね。
絵師たちの芸術感覚的なものの変遷と、世間の流行と、政治的な統制とが絡み合って、さまざまなものをその絵のなかに見ることができて、たいへん興味深い展示でした。

そんな中、私が非常に興味を持ったのは「下絵」。他の美術展でも「素描」が展示されることが多々ありますが、そういう類いのものですね。試しに部分的に色をつけてあったり、線を何度も消してあったり、切り張りなどして構図の推敲のあとが見えたり、と面白いものでした。
あとは、記者発表のときに亀治郎さんが「お気に入り」として挙げていた三つの作品は、とっくりと拝見させていただきましたよhappy01この絵のどこがお好きなのかなあ、私はここだなあ、などと勝手に思いながら見るのもなかなか楽しいものでした。お気に入りのひとつ、このたびの展示のポスターにもなっている(上に画像を入れたものです)「暫」も、その際に話題に出ていた、「目の中のうすいブルー」をしかと拝見してきました。
ほかに印象に残ったのは歌川国芳の「鬼若丸の鯉退治」という作品。水面に巨大な鯉がおり、その上に鯉より小さな島があって、そこに鬼若丸がいる、という構図ですが、とてもグラフィック的。構図はもちろんですが、色の付け方、作者名版元の入れ方などもいいバランスで、しかもグラフィックっぽいのにものすごく動きがあるのです。面白いなあと思いました。
この人の作品は、ほかのものも「何故こういう構図にしたんだろう?」と思うものが多く、それが意図的であったので、興味をひかれました。

最後はちょっと駆け足でしたが、解説も丁寧に読むことができたし、とても興味をひかれる展示の仕方で、大変楽しませていただきました。
浮世絵って、やっぱり、見てとても楽しいですね。

記者発表のときの様子はコチラ

« 心はすでに二月に | トップページ | ぽろりぽろりと »

コメント

>aki様、初めまして。初コメントありがとうございます!せっかくいただいたのにお返事が遅くなって、ごめんなさいbearing
お名前は、SwinignFjisan様やはなみずき様のところで拝見しておりました♪
「ボストン…」、まだ当分やっているわね、と思ってうかうかしていたら、いつの間にかあと数日…あわてて行ってまいりました。この週末でいらっしゃることができればよろしいですね。とても見応えのある展示でしたので…。
これからもよろしくお願いいたします。また遊びにいらしてくださいね、お待ちしておりますheart04

>みつひめ様、コメントありがとうございます。お返事が遅くなってごめんなさい。
お時間取れないのは残念ですね。でも、ボストン美術館展としては、第二弾、三弾の企画もあるらしいですし(記者発表の時に館長がおっしゃってました)、Nスペを見返すことができるなんて、羨ましい!私は見損ねました〜!coldsweats01
今回は会期が2ヶ月と長かったので、私も安心しすぎてしまってぎりぎりに駆け込むことになってしまいました。そういう方、多いかもしれませんね。

>SwinigngFjisan様、コメントありがとうございます。お返事が遅くなってしまってごめんなさい。
「ボストン…」は会期が2か月と長かったので、私もついついノンビリしちゃって…。あわてて行ってまいりました。
見応えたっぷりの展示内容でしたので、あと2日間ですが、いらっしゃれるといいですねえ。きっとお忙しい中足を運んだ甲斐があると思われるのではないでしょうか(^-^)
江戸東京博物館、行けばたくさん楽しめるところがあって楽しいですよね。

はじめまして。akiと申します。

SwingingiFujisanさまや、はなみずきさまのところから、ちょくちょくおじゃまさせていただいておりましたが、はじめてコメントさせていただきます。「ボストン美術館浮世絵名品展」、行きたい行きた~いと思っていたのですが、もう終わってしまうのですね。何とかこの週末で行けると良いのですが・・・。でも、こちらの記事で楽しませていただきました。ありがとうございます!今後ともよろしくお願いいたします。また遊びにきます♪

わー、今月いっぱいでしたね・・・。
うっかりしておりました。

あー、もう、時間が作れないです(泣)。
三津五郎さまがナレーションを担当なさったNスペを見直して、我慢します・・・。

詳しいレポ、ありがとうございます。ぎりぎりで間に合ってよかったですね!!
私は来月行こうなんてノンビリ構えていたら、今月いっぱいだったって昼間知って、でももう入る日がなくて、どうしようcrying 何とか頑張ってみるかなぁ。
mami様のレポ拝読したら、やっぱり行かなくっちゃって思うし…

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/106794/25708705

この記事へのトラックバック一覧です: ボストン美術館浮世絵名品展:

« 心はすでに二月に | トップページ | ぽろりぽろりと »

2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

お気に入り☆BOOKS

  • 小川洋子: 「ブラフマンの埋葬」
    ブラフマンという不思議な生き物に関わった私の、ゆるやかな変化の物語。
  • 吉本ばなな: 「デッドエンドの思い出」
    シアワセとフシアワセの境目ってなんだろうかと、そのボーダーラインの不確かさはむしろシアワセな贈り物なんじゃないかと思わせてくれた作品。
  • 駒形克己: 「空が青いと海も青い」
    ぜんぶ広げると1枚の紙になってしまう、不思議な絵本。広げたり畳んだりしてみるとまた、構成が変化しておもしろい。書いてあることは、一言なんだけどけっこう科学的。
  • イワサキユキオ: 「Say Hello! あのこによろしく」
    どのページを開いても、満面の笑顔になっちゃう。笑顔なのに、ウルウルしちゃう。子犬たちの成長が、愛情たっぷりの写真で綴られています。
  • 川上弘美: 「椰子・椰子」
    ありえなさそうなんだけど、ありえちゃうような不思議な日々を淡々と過ごす「私」のへんてこりんなお話。山口マオさんのイラストも可愛い。
  • 西岡常一・小川三夫・塩野米松: 「木のいのち 木のこころ 天・地・人」
    寺社建築に携わる二人の宮大工の棟梁のお話。宮大工という未知の世界の話はとても興味深く、また「真」をみるということは万事共通なんだと感じ入りました。

最近のトラックバック

無料ブログはココログ