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2009/01/22

Go to DNP

1月14日 ファン・ホーホストラーテン《部屋履き》 @ルーブル-DNPミュージアムラボ

ちょっと前になってしまったけれど、DNPミュージアムに行ったときのことを。
年末に一度予約していながら、体調不良で取り止めた見学だったが、今回再チャレンジ!浅草歌舞伎の帰り足で行ってきた。(浅草→五反田、都営地下鉄で一本trainだし、近いのよ!)

ここの展示は普通の美術展とは全く様相を異にしていて、ある意味「美術展」と思ってはいけない。
展示されている作品は、今回はファン・ホーホストラーテンの《部屋履き》一点のみ。展示内容とコンセプトによっては、本物の作品は一点もないこともある。
その作品について、様々な角度から観察し、見た人がいろいろなヒントを得ながら自分なりに掘り下げていける、あるいは想像できる、といった趣向の、いわば実験室みたいなもの。

あらかじめ予約を入れてあるので、受付でその旨を告げ、解説をしてくれるイヤホンガイドmusicのようなものを借りる。
これは、骨電動で音声を伝えてくれるので、鑑賞しながら、解説を聞きながら、同行の人と感想を語り合ったりもできるし、またその展示の前に行くと自動的に反応して解説を開始してくれる。たいそうなスグレモノだ。

ここの展示についてはいちおう順路が表示されてはいるが、基本的にはどのように回ってもかまわない。いったりきたりを、何度したって良い。
今回まずは展示室で作品を鑑賞し、展示室内にある投票箱(といってもデジタルのもの)に、絵の印象を投票する。あらかじめ印象を語る表現がいくつも用意されている。もちろん、その中に自分の思う表現がなければ言葉を追加することもできる。(これは別に部屋で、みんなの投票結果を見ることができる)
まずそうやって、自分の得た印象を具体的に表現して自分自身ではっきりと自覚したあと、次のブースに行く。

シアターでは、ファン・ホーホストラーテンの生きた17世紀オランダの時代背景を見る。歴史的背景、絵画の流れ、同時代を生きた絵画仲間たち、その活躍ぶり、その中にあってのホーホストラーテンの位置づけなど。
オランダ絵画は、一部の有名人を除いて(レンブラントとか)名前の認知度が日本では低いのではないか。(オランダ人の名前、長くて覚えにくいというのもあるかもcoldsweats01)実際、紹介される画家たちの名前を、知らなかった人も多くいたし、作品を見てあぁこれが!と思ったものも(作品だけは見ているのよね)あった。
また当時のオランダの世相を聞くとさらに作品への理解が深まるというもの。

次にホワイエに行く。ここでは4つの展示。
絵を立体画像にして(ホログラムのようなもの)その中に自分が入っていくというもの、画家のさまざまなプロフィールの紹介、作品に表されるもチーフの持つ意味、作品中の光の存在のしかたの意味を、それぞれのコーナーで体験できる。
作品のなかのモチーフの意味のコーナーでは、たとえば「キャンドル」についての当時の人々の印象、キャンドルといえばこういうものの象徴がある…といったような解説がなされる。
光の存在のしかたでは、作品で表現されている以外に、違う方向から光をあてた場合の変化のさまを画像で実験することができる。
しかも、その画像は、プリントアウトして持ち帰れるのだhappy01

いろいろな実験が自分でできて楽しいこと、一枚の絵についてたくさん掘り下げることができて興味深いこと、またさまざまな視点からその作品にアプローチできることの充実感などがあって、とても面白い展示である。
当時のオランダという国にあっての表現、という視点からさまざまなものの持つ意味を知ることができたのは私にとって大きな収穫だったし、光のあてかたによる表現イメージの変化を体験できたのも興味が深まった。(もともと私、絵画における光と影の表現というものに、非常に興味があるのだ)
ただひとつ、難をいうならば、ずべてのものがデジタル展示なので、電磁波に弱い方、あるいはペースメーカーなど使用されている方には不向きというところか。
そこの問題さえクリアしていれば、じっくり見れるし、なんといっても無料だし、それでこんなに遊ばせていただけて、ものすごく楽しいミュージアムである。

今回の展示は、5月16日まで。
イヤホン?の貸し出しの都合上、要予約だけれど、当日連絡してもキャンセルなどで意外と入れるかも。興味のある方はぜひ。とっても楽しいです!happy01shineshine

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コメント

>SwingingFjisan様、はい、行ってまいりました!happy01教えていただいてから行きたくて行きたくて。やっと実現!
いろいろな実験ができて、自分なりの感覚で探っていけて、とても面白い展示でした。
また行きたいと思っています。

「日本オランダ年」、そうなんですよ!
オランダは、日本ではあまり認知されていないようですが、デザインでは先進的な国です。建築も、グラフィックも、アートも、いまのオランダのデザインは、活気があります。魅力的なものもたくさんあります。
そういうものが紹介されて、日本で見ることができるのは嬉しいですねhappy01notes

お、ついにいらっしゃいましたのね。
1つの作品をこうして色々な角度から分析し、かつこちらも作品の中に入っていけるというのが楽しいですよね。
最近、ルーヴルDNPも人気が出てきたようで、大変嬉しく思いますが、その分、参加型展示の待ち時間が増えたかなcoldsweats01
ところで、去年はオランダ美術展がいやに多いなと思っていたら、08-09年は「日本オランダ年」だったんですね。

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