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2009/01/22

歌舞伎座・昼の部

1月21日 寿初春大歌舞伎・昼の部 @歌舞伎座

やっと昼の部を観て来ました。
噂に違わず玉様すごかった。この世のものとは思えない。
おかげでほかのがふっ飛びました。ごめんなさい。
あっ、でも「十六夜清心」は1割。いや1割5分(笑)
でも残りは「鷺娘」。そんな初春の歌舞伎座昼の部でした。

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祝初春式三番叟
富十郎さんの謡のお声がおめでたいこと。つやつやキラキラしているの。最初の「とうとうたらーり」から寿気分がぱぁっと舞い散る感じ。
錦之助さんと松江さんの後見も素敵でした。
千歳と三番叟、これまた華やいでよし。それぞれに後見さんがついていますが、梅之さんのブログ愛読者としては、その難しさ緊張のほどを教えていただいているだけに、ひとつひとつを見守ってしまいます。
観ている私達は、寿ぎ華やいだ雰囲気を楽しませていただきますが、そもそも神事に近いこの演目(お能の三番叟はもっともっと神事らしい雰囲気)なさるほうはとても大変なのだとあらためて感じ入り。
いやでもおめでたく有り難い。一年の始まりはやはりこうした感謝の奉納から。

俊寛
すみません、あまり真剣に見てなかったの。ちょっと意識飛んじゃったし。
そもそもお正月に「俊寛」というのが不思議。人気演目というのも不思議。なのですが、魅力ある演目というのはよくわかる。…という、私にとって複雑な位置づけにあるこの作品。
幸四郎さんの俊寛は、想像していたよりずっと良かった。(真剣にみてないのに、ごめんなさい)
千鳥の芝雀さんが、また良かった。
で、最後のシーン、最後の最後まで「おーい、おーい」と呼び続けるのではなく、最後の数十秒間、ひとりになったことを悟ったかのような遠い目で、船を追っていく表情が秀逸でした。
ここの表現で、その方の「俊寛」が集約されている。そいういう意味で、幸四郎さん版が、心に残りました。

十六夜清心
観たかった演目。
時蔵さんが美しい!なんであんなに色気があるのでしょう。女性の私も、うっとりドッキリしてしまいます。
袖をかむ仕草。壊れた鼻緒を結び直すうなじ。相手をはすにみて落とす視線。…ああどれをとっても地団駄ふむくらい色っぽい!私も、惚れてしまうよ。
そして、菊五郎さんがなにやら頼りなくもこれまた色気ある優男。ちょっとコミカルな味があるのも、女性としてはほうっておけません。
愛し合っているのにどうしようもなくて、二人身投げをしますが、二人ともそれぞれ別の場所で助かってしまう。そして腹をきめ別の生き方へと流れていく。しかもその決心をして行動を起こそうとするときに、皮肉にも二人はすれ違うのですが、相手の姿を認めることができないのです。
暗闇ということはもちろんですが、そうしてすれ違ったものの姿を、あれほど愛し合った恋人であっても、もう見つけることができない。心の流れ、魂の流れというのはそういうものだなあと思いました。

先日初文楽だった私、この演目の冒頭で文楽と同じような口上があったのが、ものすごく期待を膨らませてくれました。古典芸能の別ジャンルどうしで、その関わりあいの現れみたいな表現が出てくると、ものすごく気持ちが高揚する。
また浄瑠璃が良かったの。もう少し太夫のお声が太いともっと良かったなあ。
黙阿弥はやはり台詞が秀麗で聴きほれました。

鷺娘
いやもう、玉様は人間じゃないです。…人間じゃない役ですからそうなのかもしれませんが、、、
あの美しさ、佇まい、動きのひとつひとつに至るまで、いっさいの破綻なく。ものすごいきつい踊りなのでしょうが、息をしているのかさえわからない。
後見さんの手際の美しいこと。これまた芸術品。(さいきん後見さんを見るのが好きなのです)
前半の踊りのあといったん袖に引っ込むのですが、このときの囃子がまた、素晴らしいのよ。三味線しかり、鳴りものしかり。傅左衛門さん素敵ぃ。
引き抜きとか、ぶっかえりとか、派手な演出もありますが、そこだけが突出しない全体の流れバランスの素晴らしさ。
ああもう、いろんなところで思わず「おぉ!」と声が出、ため息が出ました。

幕がおりてからも止まない拍手。劇場側もそれを汲んでか、しばらく客電をあげずにいてくれました。ちょっとカーテンコールを期待しちゃった。
が、そこは歌舞伎座、間もなく客席も明るくなり、お帰りの時間。
ああ本当に、素晴らしかった。
これはまた観たい。今月幕見も長蛇の列というのがよっく、わかりました。
いつもでも鷺娘の余韻にひたりたい気持ちで、歌舞伎座をあとにいたしました。

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コメント

>Carmen様、おぉ、観てらしたのですねー!happy01
本当に、芸術品でしたよね!
仰るように、衣装の配色、照明、舞台上での位置などなど…すべて計算されていましたね。なのに、計算を感じさせないほどの美しさ、陶酔感!
Carmen様の感想をいただいて、また蘇るものがあり、ああそうだった、ああだった…と反芻しております。
「鈴木春信の浮世絵のよう」本当ですね!
玉様のあのしなやかな色気ある美しさは、まさに鈴木春信の世界です。
素敵な感想、ありがとうございます♪

>噂に違わず玉様すごかった。この世のものとは思えない。
>おかげでほかのがふっ飛びました。

mamiさんの感想、ホント正しいです!!!
申し訳ないけど、他に何があったかほとんど覚えていない!(笑)

あの冒頭の白と寒色系の色の中の、上品な赤のチラリズムがたまりません。鳥の動きを意識して、すーっと伸びる白足袋の足先も美しかった。
引き抜きで次々変わる衣裳の配色も照明も計算されていて、時の流れをダイナミックに演出!お囃子も素晴らしかったですね~。

まるで鈴木春信の座敷八景のような世界。浮世絵から鷺娘が抜け出てきたような気がしました。

>Calmen様、コメントありがとうございます!
Calmen様、週末行かれるんですね!もう「鷺娘」はめちゃくちゃ期待していっても、きっとそれ以上だと思います。オペラグラスは必携ですよhappy01

私も去年は、お能の三番叟で明けましたが、今年は歌舞伎でした。
双方ともそれぞれの雰囲気で寿いでおりますよね。こちらは富十郎さん必見ですよ〜!
私は今月は観能の予定がないので、お能の三番叟を見れなかったのがちょっと残念です。

今年のお正月は、お能でなく歌舞伎版三番叟で開けます。
今週末見に行きますが、そうですか、「鷺娘」楽しみだなぁ。
オペラグラス持ってこうっと♪

>non様、コメントありがとうございます!
non様はこれからなのですね!
本当に、卒倒するかもしれませんよ!(笑)それくらい尋常でなく美しい世界です。でも一瞬たりとも見逃せませんから、卒倒する暇はないかも(笑)

俊寛、本物の海藻を使っているというのは私もどこかで読みました。残念ながら昨日は3階席でしたので、磯の香りからは遠かったですが…coldsweats01
幸四郎さんの俊寛も、当たり役といわれるだけのものがある素晴らしいものでした。

今週末、楽しんでいらしてくださいね!

>SwingignFjisan様、コメントありがとうございます!
やはりどの日も鳴りやまないのですね。いつまでもいつまでも、あの余韻に浸っていたいですもの、拍手が続いてしまうのも自然当然というもの…。
玉様は時々カーテンコールしてくださいますものね、千穐楽はありでしょうか。
う〜ん、もう一回、見たいっ!dash

歌舞伎座昼の部に行かれたのですね~
私も今週末見に行くので、mamiさまのレポを拝見してワクワク度がupでございます!
鷺娘、本当に楽しみです。映像であれだけキレイなのだから生で観たら卒倒しちゃうかも(笑)
俊寛、染五郎さんのブログによると舞台の海藻は本物を使ってるんですってね。
前方の席だと磯の香りもするのかしら?

鷺娘のあとは、どの日もやはり拍手が鳴り止まないのですね。私が見た2度ともそうでした。千穐楽だったら玉さま登場してくれるのかな…(「ふるあめりか」がそうでしたよね、たしか)。
まったくこの世のものとは思えない玉さまの鷺娘でしたね。ふ~っ(ため息)。

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