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2009/09/05

「狭き門より入れ」

9月4日19:00~ @PARCO劇場

佐々木蔵之介さんのユニット「Team申」の第三弾公演。
脚本・演出を新進気鋭の前川知大。出演者は蔵之介さんのほかに市川亀治郎、中尾明慶、有川マコト、手塚とおる、浅野和之 と、主に舞台畑の実力者が並ぶ。

私は亀治郎さんが出演してなかったら、きっと観ていなかった。
なんといっても亀治郎さん、初の現代劇での舞台出演。観るほうもドキドキ、なのだ。
果たしてこの作品は、ものすごく私の好みで、心に深い爪痕を残してくれた。

以下、なるべく本筋には触れずに語る、超・私的感想。
でもネタバレあるかもなので、未見の方は要注意でございますよっ!happy01


舞台はコンビニ、設定は3日後に「更新」を迎えた、ある日。そこに偶然にも必然にも、集まってくる人たち。

私的にいうと、なぁんだ「テレポーテーション」の話じゃないか。 と思う。
舞台空間は三次元で語られているけれど、第四、第五、いやそれ以上の軸があることにすぐ気付く。
同時に進行している多次元の存在、次空のねじれやゆがみ。
互いの存在を知ってか知らずか、絡み合いまた離れる時空間。
行ったり戻ったり、それが三次元だったり四次元だったりするから、ときどき頭のなかで整理しないと、ちょっとわからなくなる。
いや、頭でわかろうとするからわからないのだ。 とすぐさま思いなおす。
観じたままが(自分にとっての)応えなのだと。

ただし、私の観じる「テレポーテーション」と趣が異なっていたのは、この芝居上のものが、とても「自我」が強かったこと。
「自我」のゆがみが引き起こしたのが現在の時空間のゆがみなのだとしたら、「テレポーテーション」した先は「エヴァ」なのだと思う。
けど、この舞台では「更新」の向こう側には、また異なった「自我」があるようなのだ。

狭き門から、入ったのがシアワセか、入れないのがシアワセか。
それはそれぞれだろうけれど、もし「更新」というものがあるのなら、それは「リセット」ではなくて「今あるもの、今いるところ」からの積み重ねであって欲しい。
「今」からでも、修正していけるのだ、と思いたいしそう行動したい。

舞台上で展開される具体的な現象が、今の世界にあまりにリンクしていて驚いた。
前川さん、天才だと思った。ちょっと「自我」が強いけど。

さておき。
非常に面白かった。
二度目になるけど、亀治郎さんが出てなかったら、このお芝居には足を運んでなかった。
ありがとう、亀ちゃん。

ところで現代劇初出演の亀治郎さんは、こちらが慣れてないせいか、ちょっと照れ臭かった。
でも、キャラには合っていた。「更新」の担当者というのも似合ってた。
この舞台に合った尺でのお芝居だったと思うし、さすがに巧みである。

もうひとりの「更新」担当者、キーマンである役を演じた手塚とおるさんと、このお芝居で一番普通のひとを演じた有川マコトさんが、光っていた。
浅野和之さんてなんてスタイルがいいんだろうと思った。みためもだけど、動きのひとつひとつが、スタイルがいいの。
初舞台の中尾くんは、頑張ってた。もともとお芝居できるひとだと思うんだけど、舞台の芝居にうまく馴染んできてて感心。
蔵之介さんは、熱演。このカンパニーをひっぱってきただろう、そのエネルギーが全体から発せられていた。
役者さんたちのバランスが良くて、見ごたえのある舞台だった。

余談だけれど、パンフレットの稽古風景写真、亀治郎さんが蔵之介さんとしか映ってないの。他のひとはみんなで映ってる引きの写真があるのに。
亀ちゃん、このお稽古前半は歌舞伎の舞台があって出れなかったから、あとから撮影したのかなーと思っちゃった。
役者さんたちのインタビューにも、あんまり亀ちゃんの名前が出てこないのは、まだ一緒にお稽古してなかった前半に、このインタビューが行われたんじゃないかなーなんて。
亀治郎さんにとって、小劇場系の役者さんと絡むって、今までなかったことだろうから、またいろんな経験になって、明日の亀治郎さんをつくっていってるんだろうなあ、と、自分のことでもないのにものすごく嬉しかったりして。
そういう意味では、毎日「更新」されてますよね。笑。
カーテンコールでの亀ちゃん、にこにこしてて良かったなあ。
蔵之介さんは、座長の風格?責任?からか、超・オットコマエ!でしたhappy01

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