映画・DVD

2010/10/28

「大奥」

10月27日、ぽこっと空いた時間を利用して、「大奥」を観てきました。

男女逆転の大奥。
男の人口が圧倒的に少ないんだったら、そのうえ大奥に集めちゃったら、悪循環で意味ないじゃーん!
と思っていましたが、なるほど、「贅のかぎり」という意味あいもあったのね。

そんな税金の無駄遣い(?)ともいえる大奥が舞台のこの映画、おりしも事業仕分けが始まったタイミングで見ちゃって、なんだかザクザクきちゃいました。
ぜひ蓮ホウ(舟へんに方)議員に御出陣願いたいと思いきや、柴崎コウちゃん演ずる将軍・吉宗が、まさにそんな位置づけで、気持ちのいい男前度!
政治のリーダーたるもの、そうこなくちゃ!といった存在感。

ところが、大奥に勤める下級武士出身の水野(二宮くん)に、ほのかな恋愛感情が芽生えちゃうんですね。
でも水野には密かに想っている幼馴染のお信(堀北真希ちゃん)がいて、吉宗の女名が同じ「お信」であったことから、吉宗をお信と思ってお役目を果たす。
それをすぐさま読み取ってしまう勘のよさ感情の機微を持ちつつ、ひとかけらも面に出さず水野のために動く吉宗、なんて素敵なんでしょう~!

登場シーンはそう多くないんだけど、柴崎コウちゃんの存在感が際立っておりました。(得な役であることも確かですけど、それを体現するのはたいそうなことでございます)

二宮くんは、いま見てるドラマ「フリーター…」と180度違う、実に自分の分をわかった、男前な役。
殺陣のシーンもなかなかで、眼力もなかなか、想像以上に武士役にはまっていました。
等身大な自然さが、二宮くんの真骨頂かと思っていましたが、こういう役ももっとたくさん、やってほしいなあと思いました。

その他の大奥の面々、玉木宏さんはやっぱり美しい~し、蔵之介さんも素敵でした。

ラストのどんでんがえしは、読めると言っちゃ読めるんですが、そこへの過程のほうが、まあ意外性があったかな。
心に残る、という種類のものではないけれど、いろんな意味で、楽しめる作品でした。

2010/07/09

「告白」

7月7日、映画「告白」を観てきました。

私は原作を読んでいませんから、両者の表現の差異というのはわかりませんが、
映画として、非常に面白かった。
面白かった、というのは少々誤解を招くかもしれません。
恐ろしくも興味深かった、というべきでしょうか。

たったひとりの娘を殺されて、復讐の鬼となる教師。
殺人を犯した我が子を、必要以上に擁護しようとする母親。
自分を見つけてほしくて、方向性を間違えてしまった13歳たち。

この作品の登場人物はみな、そんな感情のままに動いています。
そういうと、直情的な、熱いものと思われるかもしれませんが、
体温の低い激情、というものも確かにあるのだ、
そしてそいういうもののほうがよほど、暗く根が深く決心が強く、
他のあらゆるものを支配してしまうものなのかもと
観るものに気づかせてしまうのです。
強い決心は、ある意味偏狭です。

それが社会的に正しいか正しくないかは、この作品には問題ではないのでしょう。
歪んでいる、といえばその通り、なのですが
子供を愛す、自分を愛す、そして他から愛されたい、
という欲望に関して、
登場人物たちは本能的に、やりたいことを選んでいる

そういう印象を受けました。

だけど、中島監督はそのあたりを
わざと(だと思いますけど)きっちりつくりこんでなくて
逃げ場をつくっているんですね。
ある部分、観たひとに投げちゃってる。
そこがずるいし、救いでもある。

いやもっと、健全な消化方法があるだろう、という方もいると思いますし
そうなれば一筋の光明が見えたりもするのですが

とりあえずこの映画の登場人物それぞれが、それぞれの立場で「告白」していることによって、
どの立場にもかなり感情移入できてしまう
自分自身が、なんとも恐ろしいこと。

映画が恐ろしいのか自分自身が恐ろしいのか。
…なんてね。


全体には、松たか子さんの演技がやはり凄くて、この映画を支えてたと思うし
エキセントリックな木村佳乃さんもとても良かった。
子供たちも演技と思えないリアルさでした。

観たあとに爽快感はまるでないけど、
いろいろ考えさせられたり、映画作品としてのクオリティも得難いものがあるし
観応えある作品で、私としては非常にオススメな一本でした。

2010/04/17

「誰かが私にキスをした」

4月16日、有楽町で観てきました。
「バケーション」のハンス・カノーザ監督、堀北真希さん、松山ケンイチさん、手越祐也さん、アントン・イェルティン さん。
階段から転落したショックで最近の4年間の記憶を失ったナオミが、自分を探し取り戻していくストーリー。
そこに3人のボーイフレンドが絡んで展開していきます。

松山さんが出るのでゼッタイ見なきゃ、と思っていたのですが、思いのほか青春映画っぽく宣伝されていたので恐れをなしていたところ、うまいぐあいに相方ちゃんがみつかったので勇気を出して行ってこれました。

コレ、撮影してた頃の仮題が「ナクシタキオク」だったのですけど、そっちのほうが良かったな。
原作があるのですがそちらの邦題は「失くした記憶の物語」。
映画の内容からしても、映画のなにかを伝えるというよりも、宣伝効果を考えてのタイトルという印象が強い。

さておき、


ハリウッドで活躍中の、外国人監督が撮ったというだけあって、台詞運びが英語っぽい。(日本語で話しているシーンも多いのですが、なんとなく組み立てが英語圏)
日本人は、そういうしゃべり方を、日常ではしないでしょ、という違和感。
が、舞台は日本のアメリカン・スクールなので、それもありか。

そして「バケーション」で評判をとったハンス監督の、映像処理はやはり斬新で、変化に富んでいて、画面をみているだけでも興味深かったし、台詞がなくてもその映像で多くのことを物語っていた。
俳優に対する演出よりも、映像処理のドラマチックさが、この監督の本領かな。
登場人物、個々の人生の掘り下げは、いまひとつのように感じてしまった。
話の中でのバランスとしては、それぞれの役割ははっきりしていて、わかりやすかったけど。

松山さんは、ちょっと病んでいて影のある役なんだけど、ここのところ陽人(ウルトラ・ミラクル・ラブストーリー)とか風太郎(銭ゲバ)とかを見てたもので、青春まっただなかの、深く悩める普通のいち青年、に(私には)見えた。
もっとも、躁と鬱の切り替えのバランスは見事で、こういう役だったらもっと極端に演じていくこともできたと思うけど、彼の躁鬱は彼の日常なのでそうそう突出したものではないんだというさじ加減が、この映画の中にあってはとても良かった。
あと、ビジュアルが、普通の男の子っぽくて、可愛かった。(だって、ほら、陽人とか風太郎だったからさ)

手越くんは、やたらと理屈っぽかったけど、優しくてまめな男の子。いい役でしたね。
3人のボーイフレンドの役割は、記憶をなくす前のナオミを愛するアントンくん、記憶をなくしたナオミだからこそ愛する松山さん、それをひっくるめて愛する手越くん、という感じ。

堀北さんは可愛かったし、パパ役の渡部篤郎さんがものすごくいい味を出していましたが
私としては…正直、松山さんを見に行った映画、って感じになっちゃった。
ちょっと残念。

2010/01/23

清塚さん→DMC

今日は、清塚信也さんのコンサートに行きました!happy01
以前から行ってみたかったのですが、なんとこの日は、我が家の超近所の「杉田劇場」というところで、コンサートが行われるということで、それならばなんとしても行かなくちゃ!
と、チャンスをいただいたのでありますnotes

清塚さんは、若手の新進ピアニストですが、とくにクラシック音楽に詳しくもない私が、なぜこの方のことを知ったかというと、なんのことない、松ケンくんつながりなのです(相変わらずのミーハーでごめんなさいっcoldsweats01
松山さんが映画「神童」でピアニストの卵の役をやったときの、指導およびピアノ演奏シーンの吹き替えをされたのが清塚さん。
その後ふたりは大親友となり、松山さんが雑誌で連載している「松ケントーク」なる対談企画に、なんと二度もご登場~!
お二人で興味深いお話をたくさんされていたので、ぜひこの方の音楽を、聴いてみたいと、思っていたのでした。

はたして、コンサートはとても素晴らしく、とても楽しく、会場でお買い求めのCDにサインまでいただき、すっかり感動して帰ってきたのであります。
(その感想はまたのちほどheart02

で、そのあと地上波初登場の、松山さんの大ヒット映画「デトロイト・メタル・シティ」をみました。(そのときの感想はコチラ
松山さんつながりな流れだったんですが…
なんという世界観の違い!笑!
テレビでは、この映画にとって重要な、超お下品な台詞がぜ~んぶ「ピー音」(のかわりの動物の雄たけびの声!)だったので、面白さ半減でしたけど。
まあテレビじゃ、ながせないよね~。最後のライブシーンも含め、これはやっぱり、映画館で見なきゃ!ですよ。
松山さんの演技力は、やっぱりさすがで楽しめましたけどねwink

さっきまでの清塚さんの、とってもノーブルな雰囲気から、急転直下、メタルな世界に~!coldsweats01

松ケンつながりでありながら、180度違った世界につれていかれた日でありました~coldsweats01coldsweats01

2010/01/22

オーシャンズ

本日初日の「オーシャンズ」
ひょんなことから、仕事帰りに盛り上がり、行ってきちゃいました!happy01penguin
(なんで初日が金曜日だったんでしょ?)

予告編でも迫力ある映像を見ていましたが、凄いスゴいのオンパレード!
あんな海の中で、あんなに近くで、よく撮影したものだと感心しきり。

海の中で、球体になっているイワシやアジの群れ。
それをめがけて、これまた凄い勢いで泳いでゆくイルカの群れ。
イルカの“狩り”の最中に、上から餌を狙う海鳥たち。
すべて、生きていくための戦いです。

新たに産まれた命を、慈愛をもって育む母親たち。
イルカも、クジラも、アザラシも、子供のために命懸けで餌をとり、子供が生きていくために泳ぎや狩りを教え、そして一緒に遊んだり休んだり。
大きな前ヒレ(というのかなぁ?)で赤ちゃんを包むアザラシのお母さんの姿は、そのまま、おくるみの赤ちゃんを抱く人間のお母さんのようでした。

いっぽうで、ひとりで産まれ、生きていく子供たちもいます。
海岸に産み付けられた卵から孵化したウミガメの子たち。
砂の上に姿を現し、水辺に着くまでに、たくさんの子たちが海鳥に食べられてしまいます。
無事に海中に辿り着けても、また新たな敵の餌食になるのでしょう。
勿論、そうなっても「種」がキチンと保存されていくように、数は確保されているのです。
残酷なようですが、これにへんに手をくだすと、自然のバランスを崩してしまうのです。

それを自己の都合で崩してしまうのは、人間でした。
美食の極み、高価に売買されるフカヒレを求め、乱獲し、ヒレだけを切り取ると、手足をもがれたサメはまだ生きているのに、そのまま海中に捨てられてしまう。
なんとも痛ましい映像でした。
このシーンはCGで撮られたというけれど、実際そういう事例は数多くあるのでしょう。
生きるために食べている、ほかの生きものに比べたら、なんと傲慢なことでしょう。

見ていくうちに気付いたのは…
これは、真摯に懸命に生きる生物たちと地球の記録だということ。
その正直さ、ありのままに生きる姿の前には言葉もありませんでした。

撮っている方達も、それを感じ、正直に自然に向き合い、人間の傲慢を反省し、そうならないよう訴えようとしたのでしょう。
それに費やされた努力や苦労や時間やお金…たいへんなことだったでしょう。
けれども自然界の「正しい」循環を訴えつつ、その中に微かに、ほんとに微かに、ですよ、そんな映画を撮ったことが凄い、という自負心が潜んでいるように感じられてしまいました。
それは製作者の気持ちではなくて、「宣伝」のもたらすものだったかもしれません。
人間は、とかく「お金」のために動いてしまいがちということも、ちょっと感じてしまったのでした。

けれども掛値なしに、この映像はすばらしく、自然の前には謙虚にならずにはいられないことを、体感できます。
自然のこと、生物たちのことをすこしでも理解するために。
ほんとうに、何度でもみたい、と思います。
皆様も、ぜひぜひ。できれば、宣伝CMとかの印象をぬぐってね。

2010/01/09

重力ピエロ

重力ピエロ 特別版 [DVD]

久々、家でDVDを観た。
「重力ピエロ」は前からみたかったのだ。

タイトルが不思議だったのだ。
私は原作を読んでいないから、まずそれに惹かれた。
出演者も、加瀬くん、小日向さんというのもとてもいいじゃない。
岡田くんは、あまり知らなかったけど、すごくキレイな子だなあと思って。

ストーリーは、せつなかった。
それぞれに、それぞれの思いを背負って、懸命に生きてきた家族。
背負わせたのに、それを面白いとしか感じていない相手への思いは、それは複雑だったろう。
むしろ、存在を感じさせない遠くに、その相手はいてくれればよかったのに。

その思いをどうしても、ぶつけられずにはいられず、してしまったことについてはなんともいえない思いがあるが、これはまぎれもなく家族の絆の話だった。
そこが良かった。

作中、印象的なコトバがいくつもあった。

「決められなくて、どうしよう、って神様に聞いたんだ。そしたら、『自分で考えろ!』って。それって、本当だよなあ。さすが、神様だと思った」

「おれたちは、最強の、家族だ。そうだろ?」

(サーカスで、空中ブランコに飛び移ろうとしてなかなか飛べないピエロを見て)「楽しい顔、してるわ。楽しい顔してるひとが、失敗なんか、するわけない」

ほんとうに、この家族が失敗しないで飛べたのか、作中では明らかにされてないけど、苦しみや重荷を背負ってなお、彼らは、家族の愛を信頼し、優しい顔をしていた。
それで、あのタイトルだったのか。

すでに亡くなった両親(小日向さんと鈴木京香さん)の写真が、かしこまったものでなくて、仕事をしてニコニコしているものだった(小日向さんは蜂蜜をとっている時のもの、京香さんはお庭にお水やりしてるもの)のも、とてもキラキラして印象的だった。

2009/10/17

ついに三回目

すっかりご無沙汰でした。
忘れてたんじゃないんですがcoldsweats02実家に戻ってから忙しくて…smilesweat01

で、ついに三回目!
って、乗り過ごしたんじゃ、ありませーん!
「カムイ外伝」、ついに前売りケンを使って、三回目の鑑賞を先日、してきました。
松ケン見たさにあちこち試写会に応募していたんですが、まさかそれで2回も行くことになるとは想定外だったのですよーbleah
せっかく購入してた前売りケンも、2回みたあととあっては満足しきっちゃってて、もう使わないまま終わってしまうんじゃ?という気持ちもあるにはありまして(笑)
でも、ぽこっと時間があいて、カムイ観るのにちょうどよかったんですよ♪

三回目になっても、びっくりするところは同じ。
でも、さらに理解が深まるところもあったりして、楽しめました。

これね、「カムイ」の原作ファンの間ではやっぱり賛否両論で、原作のイメージとはやはりかなり違うらしい。
映像は映像と、私は思っていますが、原作に思い入れがあるとそうはいかないのでしょうね。
じっさい私も、小説の原作作品なんかですとかなり辛口になったりしますもの。

さておき映画版、松山くんのカムイは、魅力的だったと思います。
果てしない寂寥感と、生きていきたいという熱望と枯渇に、あふれていました。
弱さも繊細さもあり、それを乗り越えて強く生きていこうとしている姿が、印象的でした。

なんだったか、松山くんがテレビ出演していた(宣伝でね)番組で、
逃げ続け、追われ続けるカムイに対し
「こんなだったら死んでしまったほうがいっそ、楽なんじゃないか。カムイは何故それでも生きていこうとしているのでしょう?」と司会の方からの質問を受け、(私もちょっとそう思っていました)
あの無口な松山くんが(いつも「んー」と考え込んでから答えを出してるconfident)間髪いれず

「自分自身としてまだ生きていないからですね」

と答えていたのが、強く私の脳裏に刻まれています。
そのひとことで、松山くんがどんなにこの役を、深く考え、感じて演じていたかよくわかりました。

自分自身として生きるって、カムイのような特殊な環境に置かれていない私たちでも、とても難しいことだと思うのですよ。
自分が本来持って生まれた本質とか、役割とか、そういうものって、社会のとりきめや常識や、あるいは自分自身の思い込みや諦めによって、とかくゆがめられがちなもの。
私たちはそれでも、別に屈辱を受けるわけでもなく、食べてもいけるので、そのことに気づきさえしなかったりする。
カムイの場合それを顕著に実感してしまう、つらい環境にありますが…。
そう思うと、カムイの置かれている状況って、今の私たちとものすごく距離があるような感覚ではなくなってくるのですよね。
松山くんのあの一言で、そんな視点が私に生まれたことに感謝しました。
そう感じて初めて、「今だからこそ、カムイが映画化される意味があった」と言っている松山くんも理解できました。

自分自身として、まだ生きてないなら、生きることをあきらめてはいけないんです。
自分自身として生きることが何なのか、深く考える必要があるんです。
そしてそれは、とても困難な道のりなんですよね。

…そんなことを、三回目の鑑賞のあと、ぽつり、ぽつりと、考えさせていただきました。

…ありがと。

2009/09/13

プレミア

「カムイ外伝」プレミア試写会に行ってきました。

Kamui14

明日は引越しだというのに!
生・松ケンみたさに、のこのこと新宿までお出かけしちゃいました。
今夜は「プレミア」ということで、舞台挨拶があったのですよーheart04
うーん、我ながらミーハーおばさんですわーcoldsweats01
しかも「カムイ」は先日も試写会で観たばかり…。
なーのーにー!笑。

おかげさまで、カッコいい松山くんはもちろんlovely、うつくしーい小雪さん、セクシーな小林薫さんなどメインキャストのほとんどを拝むことができましたし、そんな豪華な彼らを、ロックでおちゃめな崔監督が大きな度量で受け止め、まとめてたのがステキでしたshine

二度観て、あらためてわかったところもあり。
二度めなのに、相変わらず椅子の上で飛び上がるほどびっくりしたり。
人間ドラマとしても、アクション映画としても、見ごたえたっぷりの大作です。
少年のように澄んだ、哀しいカムイケンの目が印象的でした。

いよいよ今週末公開ですね。
楽しみです。
実は前売ケンも買っちゃってるのだ~!まだまだ観に行きますよん♪

2009/07/21

いれものと、その中にはいるもののこと1

ウルトラミラクルラブストーリー の感想

6月某日、待ちに待った映画「ウルトラミラクルラブストーリー」を観る。
もちろん松山ケンイチさんが目当てであったのだが、作品自体がとても印象深いものであり、このような作品に出ている松山さんがまた好きになる。

これは、タイトルのように「ラブストーリー」ではあるのだが、その「ラブ」とは恋愛のみならず。
人間界、いや自然界にあふれる「ラブ」の話で
「いれものと、その中に入るもの」=「肉体と、魂」の話なのだった。

魂、というのがいささかこの映画に不向きだとしたら、「エネルギー」とでも言い換えようか。
どちらにしても、ここ数年来私にとってとても重要課題であったこの命題が、描かれている(と私は感じた)という意味で、とても印象深いものなのであった。

松山ケンイチさん扮する「陽人」は、とても可愛い。生まれつきの障害を持っていてそれゆえの言動が少々迷惑ではあるが、それもひとつの個性、そういう共通認識の中で普通に、田舎の人々のなかで農業をやって、生きている。なんていうか、「生まれたまんま」な子供みたいな印象である。
それが、町から来た「町子先生」(←保育園の先生。麻生久美子さん扮する)にひとめぼれする。
そこから、陽人のはかりしれないエネルギーがミラクルに展開する。

生まれたまんまなひとが、恋をして、夢中になって、突っ走る。
相手にぶつかって、初めて相手のためになることを考える。
でも、エネルギーは止まらない!

それは、「常識」を打ち破り、相手と自分との境を乗り越えた。
「肉体」という境さえも。
境のないエネルギーは、生き続けるのだ。
相手と時には交わって、そして時には違う存在であることをことさらに印象づけて。

肉体という「いれもの」に入っている私たちなので、無意識にその「境界」を感じながら生きているわけなのだが、ここではその「肉体=境界」を超えて、とめどなく拡がっていく、あるいはつながっていく、∞な広がりを感じさせてくれて、本来ある本質的なものが見え隠れしていて、自分の「センター=核?」の部分をいたく刺激された。

コトバでは表現できない、なにものかがこの映画にはある。
なんだかよくわからないけど、本質(=ラブ、?)に語りかけるなにかが。

エネルギーの持つ無限(夢幻?)のチカラを感じざるをえない、そして同じように肉体という境界を持ったものの存在のありがたさを、
私はこの映像を観ながら、いっぱいに観じていた。

観終わってもなんだかよくわからずに(コトバで表現できないと、ちゃんと受け止められていないんじゃないかという、今の教育のもたらしたなんとなく厄介な不安感があって)
朝一番で観たのに、同じ日の夜、もう一度観てしまった。
結果、コトバじゃなくても、感覚でも、ちゃんと受け止めていられる(=自分のエネルギーで、受け止める)ことを、再確認したのだった。

もともとこの映画は、全編青森弁。
じつをいうと、ほとんどなにを言ってるのか正確にはわからなかった。
音楽みたいな感じ。
でも、エネルギーはちゃんと伝わってくるのだ。
そう思うと、いちばん大切なことは、コトバでなくても伝わるのかもしれない。そう感じる。


…きっとこれは、読んでもよくわからない感想でしょう。ゴメンナサイ。
でも、興味をもたれた方はぜひぜひ映画館でみてください。

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2009/05/13

アヒルと鴨のコインロッカー

アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]DVDアヒルと鴨のコインロッカー [DVD]

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2008/01/25
Amazon.co.jpで詳細を確認する

以前借りてきて、とっても観たかったのに眠くて眠くて、どうしても観れなかった「アヒルと鴨のコインロッカー」に再挑戦。
うわ。
こんなにせつない話だったのか。
と思う。

原作も読んだことのなかった私は、タイトルと、パッケージのデザインから、勝手に「ハチャメチャ青春ストーリー」なんだと、思い込んでいた。ちょっとキュンとしちゃうのかな、とも思っていた。
ところがとても複雑に繊細で、かなり風変りで崖っぷちで、でもとても日常的な、愛しい風景の物語だったのだ。

みんな、普通の風景のなかで、リリカルに生きていた。
毎日の「空気の分子」は、ぜんぶ入れ替わっているんだと日々観じているかのような、残酷な緊張があり、、、
そして同時に「空気」は毎日変わらないという、並々ならぬ隠微な穏やかさが、あった。

ストーリーのことも、登場人物のことも、あえて語らないでおこう。
だってそしたらまた、新しい気持ちで見れるかもしれないから。

なんだか両刃の剣を脇に挟まれてるみたいで、胸がひりひりしている。

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